第8章 どんな君も=佐野万次郎
「あ、ねぇエマちゃん 聞いてもいいかな?」
マイキー達がいなくなった後、隣に寄ってきたエマに遠慮がちには尋ねた
「いいよ、ウチで分かることなら」
快く返事を返してくれるエマに「じゃあ遠慮なく…」と口を開いた
「あの…『シューカイ』って何?みんな同じ服を着ていたけど何かのお祭り?」
「…え?知らないの?」
の質問に目を丸くしているエマに申し訳無さそうに笑った
「その…ボク 高校生の時に日本に来たんだけど まだまだ知識不足で…」
「さん外国の人だったんだぁ、道理で綺麗な目の色してると思った」
「まぁ、母親が日本人だから半分だけなんだけどね」
「そっかぁ、じゃあ暴走族って言ってもわからないかぁ」
うんうんと考えるエマだが上手い言葉が見つからない
「あ、暴走族ならテレビで見た事があるよ 実際には遭遇したことないけど…」
「じゃあ今日遭遇したね」
そう軽く言うエマに首を傾げた
「マイキー達は暴走族なんだよ それでこの集まりは集会っていうの」
「へぇ、初めて見たよ」
は集会を行っているであろう階段の上の方を見ながら小さく呟いた
「因みにマイキーはそのチームのトップなんだよ」
「え"っ!!あーゆーのって強い人が上に立つんじゃないの?」
「うん、だからマイキーがトップなんだよ」
何でもない事のように嬉しそうに言うエマの言葉に思わず「へぇ」などと声が漏れた
「エマちゃんはマイキーくんの事が大好きなんだね」
「うん!ウチの自慢のお兄ちゃんなんだ」
間髪いれずに即答するエマに微笑ましくて目を細めた
そうこうしている内に集会が終わったのか バラバラと人が下りてきた