第8章 どんな君も=佐野万次郎
「いや、こんな事言うと失礼なのかもしれないけど 女性って背が高いの嫌がって小さく見せようとするから背中をちょっと曲げて話したりするんだよ だけどアンタは背筋がピンと真っ直ぐで立ち姿が綺麗だったもんだからつい…」
この少年は良く人を見ているんだなぁと思った
「あぁ、それは両親にそう躾けられていたから」
そう、は幼い頃から両親に言われていたことがある
『、どんなに理不尽な事や辛いことがあっても上を向いて、背筋を伸ばして そうすれば自身を見てくれる人達は必ずいるから』
おまじないの様にずっと言われ続けた言葉
その言葉はずっとの中に置かれている
「へぇ…素敵なご両親なんだな」
「うん、ずっと尊敬している あ、そういえばなんでボクが女性って分かったの?大体みんな勘違いするのに」
「あぁ、それは体のラインとか女の人っぽかったし実を言うとマイキーから連絡貰ってたから」
の質問にこの男の子凄いなと思いながらもマイキーからどんな連絡貰ったのか気になった
「そういえば名前言ってなかったな 俺は三ツ谷隆っていうんだ」
「あっ!ボクは……」
彼が名乗ったので自分も名乗らなきゃと思い、口を開いたその瞬間 後から どーん!と衝撃が走った