第8章 どんな君も=佐野万次郎
「ホントにここでいいのかなぁ…」
携帯を何度見返しても到着地はここ 武蔵神社で合っている
…ということは今日はたまたまタイミングが悪かったのかもしれない
目の前に広がる光景はゾロゾロと同じ服を着た人達が集まっている光景
これはもしかしたら絡まれる案件なのではないかと瞬時には頭の中で考える
自分は絡まれるのはいいけどマイキーくんが絡まれてしまったらと不安がよぎる
はもしそんな事が起こったら自分が守らなきゃとごくりと喉を鳴らした
そんなの背後から声を掛けた人物がいた
「おい、アンタ ここにいたら絡まれるぞ」
その声に振り向いたの視線の先にいたのは薄いパープルの髪をした男の子だった
「あ…あの、待ち合わせをしていて…」
「待ち合わせ?あぁ、もしかしてマイキーの知り合い?」
「マイキーくんを知っているんですか?」
「勿論、アイツもうすぐ来るはずだよ」
コクリと頷くの姿に男の子はじーっと凝視していた
「あの…何か?」
こういう視線には少なからず慣れているがあまりにも見つめてくる視線にいたたまれなくて思わず聞いてしまった
「…っあぁ、ごめん じっと見過ぎだよな あんまり綺麗だったからついつい」
あまりにもストレートな言葉にの目は丸く見開いてしまった
「それは…どうも」
「あっ!顔が綺麗とかじゃなくて!いやっ!それもあるんだけど!何言ってるんだろ俺っ!…その姿勢がとても綺麗だなと…」
慌てて言い訳をする男の子は自分で何を言っているのかわからないように戸惑うと最後は落ち着きを取り戻したようにコホンと1つ咳払いをしてそう告げた
「…え?」
いつも容姿は良く言われるが姿勢が綺麗なんて言われたのは初めてだった
「うわぁ、そんな事初めて言われたよ」
正直、そんな風に見てくれた事は素直に嬉しかった