第8章 どんな君も=佐野万次郎
「…気になる?もしかして俺のことボッチとか思ってねー?」
「えっ!?いや、そういうわけじゃ…」
にこっと笑いながら見てくるマイキーには図星をつかれたように慌てる
「ねぇ、じゃあ俺のダチに会ってよ!紹介してぇ」
そう言うとマイキーはガタッと立ち上がり伝票をヒョイっと取った
「あっ!ボクがご馳走するよ!」
慌てて取り返そうとは伝票に手を伸ばすがマイキーにヒラリと躱された
「何言ってんの 俺が誘ったんだから」
言いながらスタスタとお会計をしに足を向けた
お会計をして外に出てきたマイキーにはペコリと頭を下げた
「ご馳走さまでした 次はボクにご馳走させてね」
「それってまた俺とデートしてくれるって事?」
ニヤっと笑う姿に「いやっ、そういう意味では…」とは言葉を濁したが マイキーはそんなの気にせずに頭に手を組んで「楽しみだなぁ」と上機嫌で足取りが軽く歩いた
* * * * * * * *
「ーーここだ」
スマホの地図を見ながら辿り着いた神社に何故かは1人で入り口に立っていた
ー1時間前ー
「携帯で地図とか出せる?」
「え?あぁ、良く使うから」
は自分の携帯を取り出しながら地図アプリを出すと「貸して」とマイキーに言われて素直に渡してしまった
「俺 今から家に帰って準備してくるから先にこの地図のとこに行っててくれね?待ち合わせ」
ポンと手に返された携帯は行き先をマイキーが登録されていた
「じゃあ また後でな」
「えっ?!ちょっとボク行くなんて一言も…」
言い掛けたがマイキーはもう既に後ろ姿になっていた
…結局 は地図を頼りに武蔵神社へと訪れていた