第8章 どんな君も=佐野万次郎
恥ずかしげもなく突然言われた褒め言葉にの表情が一瞬固まった
「何かビー玉みたいにキラキラしてるから吸い込まれそうだった」
の瞳は深い青色をしている
その瞳は父親譲りなのだが周りにあまりいない瞳の色がより一層 彼女の容姿を引き立たせていた
「と…とにかく 向こうではレディーファーストが当たり前だったから当たり前に体が動いちゃった」
「ふ〜ん、じゃあも向こうではレディーファーストされてたんだ?」
「え?何で?」
「何でって、は女の子じゃん」
心底不思議そうに尋ね返されたもんだから同じ様に不思議そうな顔でを見た すると今気が付いたように笑うと軽く首を振った
「そんな訳ないじゃん、見た目が見た目だし」
そう明るく言うのは本気で気にはしてないみたいだ
「俺は女の子にしか見えないけどなぁ…」
マイキーはそう呟くとある建物が目に入った
「ねぇねぇ 俺あそこに行きたい!」
ぐいぐいっとの手を引っ張ると もう片方の手でソレを指さしたのは
「え?どこどこ?」
マイキーが指をさした方をが見るとピタッと動きが止まった
そこは いかにも女の子が好きそうな いや寧ろ女の子しか入れなさそうな可愛らしいデザインのカフェであった
「…マイキーくん本当にここに入りたいの?」
「え?だってが好きそうだと思ったんだけど」
「ま…まさかっ!?それに場違いっぽくない?」
マイキーの言葉に一瞬ドキリとするがそれを否定するかの様に笑った
「え〜場違いとかそんなの関係なくね?俺は入りたいの」
言うとマイキーは手を引いたまま ずんずんとその店へと向かった
「ちょ…マイキーくんっ!」
困惑するを他所にマイキーは躊躇なく店の扉を開けると「いらっしゃいませ」と声をかけてくる店員に「2名で」と告げた
これは…もう引き返せないと悟ったは小さくため息をついた