第8章 どんな君も=佐野万次郎
が立ち止まったのに気が付かずに足を進めようとしたマイキーは予想外の事に僅かによろけた
「わっ!どうしたんだよ…?」
立ち止まったの目線を辿るとカフェの前であくせくしている母娘の姿があった
お店の中に入ろうとしている母親は片手でベビーカーを持ち、もう片方の手には小さな女の子と手を繋いでいる
「み…ミカちゃん、ちょっと手を離してくれないとママ お店のドアを開けられないなぁ」
「イヤー!繋いでおくの!」
「えぇ…」
小さい子特有のイヤイヤ期なのだろう
手を離そうとしない女の子に少し困ったような表情を浮かべていた
「マイキーくん、ちょっと待ってて」
「あっ、おい!」
その様子には躊躇なく走り出した
「失礼、良かったらどうぞ?」
言いながらドアを開けるの姿に母親は驚いた顔を向けた
「お子さんがいるとお店に入るのもひと苦労ですよね?」
言いながらニコッとが微笑むとポッと母親の頬が赤くなった
「ありがとうございます とても助かります!ミカちゃんもお礼は?」
「キレイなお兄ちゃんありがとう」
「どういたしまして」
言いながら頭を下げて入って行く母親とこちらを向いて手を振ってくる女の子には手を振り返すと何事もなかったかのようにマイキーの元へと戻って来た
「ごめんね、放置しちゃって」
「いや別にいいよ、良く気が付いたな」
「ああいう困ってそうなの目についちゃう性分で」
「目についてもなかなか出来る事じゃねーから凄いよ」
再び歩き出したマイキーと並んで歩くはその言葉に う〜んと考え出した
「向こうでのクセがきっと抜けてないんだと思う」
「向こう?」
の言葉にマイキーが首を傾げて聞きなおすとニッコリとは笑った
「ボク 高校まで海外にいたから」
「え?マジで!?」
の以外な告白にマイキーは目を丸くした
「パ…父が向こうの人で母が日本人なんだ いわゆるハーフってやつ」
「だからの目はそんなに綺麗なんだ」
「は?」