第8章 どんな君も=佐野万次郎
まぁ、言い方は人それぞれだと思ったマイキーはそれ以上は言わなかった
「それに、王子くんは私の好みとか分かってくれるし、まるで考えてることが分かってるみたい」
キャっと言いながらの腕を掴む様子にマイキーは何だかモヤっとした
好みや好きな事が分かるというのは間違ってはいないだろう でも…
「それは女同士だからだろう?」
「え?」
そりゃあ女同士だったら少なからず好みや感性が似通るだろう
「ちょっと〜君ズバっと言い過ぎ」
ケラケラと笑いながらパッとボブヘアの女の子はから手を離した
すると今度はマイキーがの手を掴んだ
「じゃあ俺達はホントのデートしてくるから」
そう言っての手を掴んで走り出した
「えっ?わわっ!」
急に掴まれて驚いた声を出したはマイキーにつられるように小走りになった
「そ…それじゃあ華蓮ちゃん、また明日」
少し後ろを向いて小さく手を振るとは引っ張られるようにその場を後にした
手を引っ張られるように歩く2人に周囲の視線が何となく痛い
「あ…あの、マイキーくん」
「ん?何?」
僅かに後ろを向いて聞き返すマイキーに「あ…あの 手を…」と言いかけるとパッと手が離れた
「ごめん、嫌だった?」
僅かに心配そうな顔に慌てては否定した
「いや、そうじゃなくて ボクなんかと手を繋いでいたら変な目で見られちゃうよ」
マイキーはの言葉にピクっと眉根を寄せた
「は?何で変な目なんだよ それに何で一人称がボクなんだよ」
「へ?だってこんな見た目だしワタシなんて柄じゃないでしょう?」
などとが言うもんだから マイキーは再度の手を掴んで歩き出した
「だ…だからっ!」
「俺は俺がと手を繋ぎてーから繋いでんの」
そう言うと ギュッと手に力を込めた
あまり慣れない状況に少し気恥ずかしそうに目を逸らすとの目線の先にあるアルモノに目が向いて足がピタリと止まった