第7章 先手=松野千冬
次の日の朝 部屋に用意された朝食をみんなで摂るとチェックアウトの為にそれぞれ帰りの支度をしてロビーへと足を向けた
「んじゃあ 俺がチェックアウトしてくっから荷物任せた」
「あっ!!場地さん!俺が行きますから ゆっくりしてて下さい!」
言いながら残りのメンバーに自分の荷物を頼もうと振り返ると それと同時に張り切った様子の千冬が勢い良く手をあげた
「お〜じゃあ頼むわ」
少し不思議な顔をしながらも場地は自分の財布とルームキーを千冬へと渡した
「はいっ!任せてください!」
場地から受け取った財布とルームキーを握り締めると千冬は機嫌良く1人フロントへと向かった
「…なぁ、?」
「ん?なに?」
「千冬に何したんだよ、気持ち悪ぃくらいに機嫌いいんだけど」
千冬の後ろを指さしながら場地がに眉を寄せて問い掛けた
「べ…別に何もしてないし!」
「嘘こけ、お前が何かしてなきゃあんなに上機嫌なワケねーだろ」
ズシっとの肩に腕を乗せて疑うような視線の一虎には重そうに顔を歪めた
「ほ…ホントだもんっ」
「ほ〜ん…」
の言葉に納得がいかないような顔で一虎はの目をじーっと見つめた
「わ…私はまだ何もしてないってば!」
一虎の視線に耐えられなかったのか逃れるように視線を逸しては答えた
「おい、まだって何する気だよ…ん?それって…」
の言葉に反応した場地はくるっと彼女の方へ体を向けた
「え?何々?千冬ってばに何かしたの?やるぅっ!」
一虎の反応にはしまったと言うような表情を見せたが諦めたかのように小さくため息をついた