第7章 先手=松野千冬
その頃 ダラダラと敷かれた布団の上で寝転がっていた圭介は ふと思い出したようにポツリと呟いた
「あ?何か言った?場地」
同じ様に寝転がっていた一虎が圭介の声に反応した
「俺、千冬にが変なものを買うって言ったっけ?」
「え?…あーそういや言ったな」
「それならいっか」
自己完結したかのようにいうとゴロリと寝返りを圭介はうった
「何?何か気になんの?」
「いや、ってさ『俺たち』に変なものを買って無理矢理食わせるじゃん?千冬も被害にあわなきゃいーなって今さらながら思って」
「…あー確かに 見た目普通の食い物だから気が付かねーんだよな」
さすがに何度も被害にあえば大抵のことは回避できるようになった2人だが千冬ならきっと喜んで口に入れそうだ
「「………ま、いっか」」
一瞬、顔を見合わせて考えた2人だが すぐに考えを放棄した
そんなやり取りをされてるとは微塵も思わず 心躍りながら勢い良くの手からクッキーをパクつくと瞬時に目を白黒させた
「……!?ぐっ!?…○×€〆$%#!!」
「ふふっビックリしたって…あっ!それ!」
言葉にならない声で叫ぶとグッと口を押さえて慌てて近くにあった飲み物をが止める前にゴクゴクと飲む
「ぷはっ!な…なんですかコレっ!」
口元を拭いながら聞いてくる千冬にはガサっとクッキーが入っていた袋を見せた
「さ…さくさくクッキーワサビ味」
そこにはデカデカと『刺激的な瞬間を!名物ワサビ味!』と印字されていた
盲点だった まさかレジ横が衝撃的なものを売ってるとは!完璧に油断していた
そりゃあ好きな人に『あ〜ん』なんかされて口を開けない奴がいたら見てみたい
「そんなに酷かった?レジ横にめっちゃあったから人気なのかと思った」
は あれ〜というように首を傾げた
沢山あったのはみんな手を出しにくくて残ってただけなんじゃ…と千冬は思ったが『あ〜ん』につられて口を開けてしまったのが悔やまれた