第7章 先手=松野千冬
「お前らってそういうトコ似てるんだよなぁ…」
「え?」
ボソリと小さく呟くと場地はザバっと勢い良く湯舟から立ち上がった
「なんでもねぇ、あっ、上がったらコーヒー牛乳半分こしような?」
つられて立ち上がった千冬にそう言う場地はいつもと変わらぬ感じだ
「あっ!ハイ コーヒー牛乳好きっす」
千冬もそう場地に返しながら出ていく場地の後を追った
仲良くいつもの様に飲み物を半分こして部屋に帰ってきた千冬達は各々ゆっくりと過ごしていた
(あっ、そういえばさん風呂に入ったかなぁ)と千冬がふと そう思った矢先に入り口のドアをコンコンと叩く音が聞こえた
「圭介〜開けて〜」と扉越しに聞こえるの声に場地は千冬にチラリと視線を向けると「開けてやれ」という風にジェスチャーすると千冬は慌てて立ち上がって鍵を開けに行った
「旅行にはお土産だと思うの!」
「はっ?」
開けたと同時にそう勢い良く言い放つに千冬は思わず仰け反った
「あれ?圭介じゃない」
「す…すいません 場地さんじゃなくて…」
「違う違う、私が勝手に圭介が開けたと思っただけだから」
謝る千冬には「こちらこそごめんね?」と笑った
「それで何の用だよ」
場地が寝転がっていた体を起こしながらに質問を投げかけると「待ってました!」と言わんばかりに目を輝かせた
「旅行の定番はお土産でしょっ?」
「それはさっきも聞いたけど」
同じ様にムクリと起き上がったのは目を擦りながらまだ眠たそうな一虎だった
「んもぅ、すぐにピンときてよ 旅行と言ったらお土産選びでしょ?一緒に見に行こう」
「「……」」
「え?え?場地さん?一虎くん?何で無言なんです?」
の提案にあまり気乗りのしない空気がプンプンと漂ってくる 一虎に至っては顔を歪めている
「俺はパス まだ眠い」
「俺は…まぁ…そうだ!千冬と行って来いよ!」
ごろりと再度寝転がった一虎に対して場地はひらめいたというような顔をした
「え?俺ですか?」