第6章 距離の温度=羽宮一虎
「そんなの常日頃思ってるし」
「…へ?」
「ただ口に出さないだけでいつも思ってるよ」
"可愛い"って そう背後からボソっと聞こえた一虎の声にの心臓の辺りがキュっとした
「…一虎もズルい…」
「あ?何でだよ」
「私だって一虎にそんなこと言われたら心臓保たないよ…」
「じゃあ俺達似た者同士だな 相性バッチリじゃね?」
「…そんなの、どんだけ一緒にいると思ってんのよ」
一虎の嬉しそうな声色にも嬉しさが込み上げた
「まだまだ一緒にいるんだから増々バッチリになるな」
一虎の口からそんな可愛いことを言われたらまた心臓がキュっとなる
「…まだ一緒にいてくれるの?」
「は?当たり前だろ?じーちゃんばーちゃんになっても離れる気ねーからな」
(これはもう実質的なアレなんじゃ…)
「へへっ」
敢えて口には出さずギュッと腕を握ると応えるようにまた力強く抱きしめ返してくれた
「なぁ、今度は2人で来ような」
「…この距離に慣れたらね」
「…じゃあこれから毎日する」
「毎日はヤメて 心臓が保たない」
「…ふはっ」
いつしか眠りにつくまでそんな他愛無いやり取りをしながら夜を過ごした