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キミしか見えない【東京リベンジャーズ】

第6章 距離の温度=羽宮一虎



突然抱きつかれて内心ドギマギしているはなるべく焦っていませんというような態度でペシペシと回された腕を叩いた


「気が済んだでしょう?離して」


「ヤダ もう少し匂い直し」


「何それ」


聞き慣れない単語に思わず笑ってしまった


「アイツ等香水の匂いがキツかったからの匂いで中和してんの」


言いながらスーハースーハーと聞こえる鼻息には苦笑いした


「そんな事するよりお風呂に入ったほうが匂いは取れるんじゃない?」


「…入っていいの?」


ここに来て遠慮がちに聞いてくるのはズルい


「しょうがないから一番風呂は明け渡してあげる」


「じゃあ一緒に…「入りません!」


「ちぇ〜…」


残念そうに呟いた一虎はスルリと腕を解いて露天風呂へと足を進めた


「…見たかったら見…「ません」


一虎の言葉にズバっと被せるように言うに「恥ずかしがり屋だなぁ〜」と楽しそうに消えていった


と一虎は1年ほど前からお付き合いをしている

だけど幼馴染み感がどうしても拭えなくて恥ずかしさが勝ってしまい どうしてもキスから先に進むことができてなかった

たまにデートして手を繋いで過ごす そんな付き合いも嫌いではなかった


そんなノロノロとした関係だから勿論 旅行なんてしたことがなくて こんな状況の旅行だったけどにとっては内心 一虎と旅行という出来事に浮かれていた


「はぁ〜さっぱりした」


ガラガラと扉を開けて戻ってくる姿の一虎をが携帯を片手に見やれば その姿に目を丸くした


「ちょっ…一虎!ちゃんと髪を拭いてから出てきてよ」

肩にタオルを掛けたまま出てきた一虎の髪は拭き取りが不十分だったのか毛先からポタッと雫が落ちた

「その内乾くから」


「その内を待ってたら風邪引くでしょう」


慌てて駆け寄り肩にかけていたタオルで一虎の髪をワシャワシャと擦る


「ちょっ…大丈夫だって、バカは風邪引かねーとかいうだろ」


「自分で言ってどうすんのよ もう」


はそう言いながら一虎の側から離れると洗面台からドライヤーを持って来た


「ほらっ座って」


コンセントを挿しながらはこちらに来いと言わんばかりに微笑んだ







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