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キミしか見えない【東京リベンジャーズ】

第6章 距離の温度=羽宮一虎



一虎の言葉に機嫌を良くした彼女は嬉しそうに一虎の腕に自分の腕を絡めた


「ごめんなさぁい、じゃあ行きましょう」


そう言いながら腕を引っ張る彼女に一虎は怪訝そうに言った


「は?何言ってんの?何で知らねー奴と風呂に入らなきゃいけねーわけ?拷問?」


「え?だって早くお風呂入りたいって…」


「だからコイツの部屋で早く入りたいっつってんの」


絡められた腕を強引にぐいっと外すとスタスタとの目の前にやって来た


「ほら 早く帰るぞ」


「あ…うん」



そのまま部屋へと向かおうとした一虎の背後から怒気を含んだ声が響いた


「ちょっと待ちなさいよ!そんな地味な女より私達の方がいいに決まってる」


その言葉に一虎はピタッと動きを止めて面倒くさそうに振り向いた


「地味か地味じゃないなんで誰基準だよ あぁ、もしかしてそんな顔塗りたくった自分基準?」


鼻で笑うように言う一虎に顔を赤くした彼女がいた



「こんな所まで来て男漁りすんのは止めたら?みっともないよ」

そう1言言うとそのままスタスタと歩いて行った


「あっ、待ってよ!」


は一応ペコリと彼女達に軽くお辞儀をするとパタパタと小走りで後を追った



「あんな男 こっちから願い下げだよ!」

残された彼女達は負け惜しみのように騒いでいた




「ねぇ、一虎 いくらなんでもいい過ぎだったんじゃない?」


の言葉を聞いているのか聞いてないのか分からないような顔での部屋の前でピタリと止まると「開けろ」と言うように目で訴えていた



「もう、仕方ないからお風呂貸すけど入ったら直ぐに部屋に戻ってよ〜」


言いながらがピッとカードキーでロックを外すと一虎は直ぐに部屋に入るのかと思っていたのだがその場でじっとしている

「…?先に入るよ?」


は言いながら一虎の横を抜けて部屋に入ろうとすると突然一虎が後ろから抱きついてきた


「ちょっ…!いきなり何?」


「 石鹸の匂いがする」


「…そりゃあ お風呂に行ってましたから…」





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