第5章 近くにいすぎて=場地圭介編
思わずポロリと出てしまった言葉に過剰に反応してくれる姿に圭介は淡い期待を持ってしまう
もしかしたらほんの少しでも男として見ていてくれているなら こんな嬉しいことはない
「…アツい」
「あ?もう大分外の風に当たったからそんな事は…」
の言葉に逆に風に当たりすぎて風邪でも引いたんじゃないかと心配で顔を覗き込むと両頬に手を当てながら耳まで真っ赤にしたと目が合った
「どうしよう…圭介 顔が熱いの…」
初めて見せるの表情に圭介は息を飲んだ
「私…圭介の大事な後輩にヤキモチ妬くなんて最低…」
そうポツリと呟くに圭介は思わず抱き締めてしまった
「は?け…圭介!?」
「最低なんかじゃねー!が最低なら俺なんて最低最悪だ!」
を抱き締めながらそう叫ぶ圭介には目を白黒させる
「え?いや待って いきなりどうしたの?」
圭介の予想外な叫びに慌てて両手でグッと圭介を引き剥がす
「今回の旅行だって無理矢理理由付けないと誘えねーし 風呂だって極力他の男に見せたくないから露天風呂付けたし!」
ツラツラと圭介の口から出てくる真実には目を丸くする
まさか圭介がそんな事を考えてくれていたなんて思いもよらなかった
「でもお前は大浴場に行くって飛び出していくし 慌てて隣の部屋に行ったらいないし…」
「あ〜…」
そういえば直ぐにパパッと用意して大浴場に向かったなぁと思い出す
「が出てくるまで大浴場の入口で待ってようと思ったんだけど財布忘れちまってるの気が付いて取りに行ってたら良くわかんねーヤツラに絡まれてるし」
今まで溜まっていたものを吐き出すようにツラツラと出てくる言葉にむず痒さが沸き起こる
思わず ふっと笑ってしまった