第3章 三ツ谷隆〜Another〜
てっきり『一緒に帰れるの?嬉しい』なんて言葉が返ってくるのかと予想していた三ツ谷だったから
の予想を飛び越えた発言に一瞬動きが止まった
「えっ?それって俺と帰るのは…「ち…違うの!」
あからさまに落ち込む三ツ谷には慌てて首を振って否定する
「じゃあ何で?」
「えと…それは…その…」
何やらモニョモニョと言いにくそうなの様子に明らかに別のことを隠してると感じた三ツ谷は隠している事は大いに気にはなるが無理やり聞き出すのも違うと思い膝を立てて立ち上がろうとする
「っ!!呆れないで?!」
急に立ち上がろうとする三ツ谷の服の裾をガシっと掴み慌てた顔のがいた
きっと三ツ谷の態度が呆れの表れだと勘違いしたが思わず三ツ谷の服の裾を掴んでいた
「隆くんと帰るのは凄く凄く嬉しいの!!」
「うん…?」
の必死さからそれは嘘ではないと分かる
それならば何故『ちょっと…』なんて拒否したのだろうと三ツ谷は首を傾げた
「た…隆くんはカッコいいからっ!」
から飛び出した言葉に三ツ谷は目を丸くした
「一緒に帰れるのは勿論嬉しいよ?!だけど隆くんカッコいいから他の女の子が寄ってきたら嫌で…」
まさかそんな可愛い理由で否定されてたなんて嬉しすぎて顔から火が出そうだ
「写真で見てもカッコイイのに実物見たら皆きっと好きになっちゃう…」
そういえば もう何枚も一緒に写真を撮っている
恋人が実はいないなんて写真を見せれば直ぐにデマだって分かるのに見せなかった
それほどまでに彼女にとっては恋人がいるなんて嘘だというデマより三ツ谷に女の子の視線がいく事の方が何より避けたくて重要だったと言うことだ
なんだろう この可愛い生き物は
三ツ谷が他の女の子に目移りや関心を持つことなんてあり得ないのに
しか見ていないのに
「…あ〜っ!可愛いなっっ」
「うきゃっ…!」
思わず三ツ谷はそう言いながら思い切りを抱き締めた