第3章 三ツ谷隆〜Another〜
「おいっ、アンタ何さり気なくさんを抱き寄せてんだよ!」
「いや…別に付き合ってるんだし何も問題ないだろ?」
キャンキャンと捲し立てる木村に三ツ谷はさらりと言い放った
「え?アンタがさんの彼氏?」
三ツ谷を指さしながらワナワナと震える木村に更に追いうちをかけるようにがギュッと抱きついた
「あの…ずっとお付き合いしてる人が居るって言ってたよね?この人が私がお付き合いしてる人なのっ!」
三ツ谷に抱きついたまま木村に向かってそう言うに目を見開いて叫んだ
「嘘だ!そんな…そんなピアスなんかしてチャラチャラしている男なんてさんには相応しくないっ!」
などと捲し立てる様子には思わず大きな声を出してしまった
「相応しいとか相応しくないとか どうしてアナタが決めるの!」
「え…?さん?」
「?」
突然怒り出したに両者目を丸くする
滅多な事では怒らない彼女の怒りの声に戸惑いの表情を三ツ谷は向けた
「アナタみたいに表面だけ見て分かった気がして近寄ってくる人は信用出来ない!私は木村くんが思ってるような子じゃない!」
「私の好きな人を馬鹿にしないでっ!」
そう言い捨てるとはクルッと向きを変えて早足で歩いて行った
その姿をボーゼンと見送った2人の後から間の抜けた声が聞こえた
「あれっ?珍しいですね 三ツ谷くんがこんな所に来るなんて」