第2章 居場所=三ツ谷隆
「まさか隆くんがあの場でマンションのプレゼンをするとは思わなかったな」
あの後、手を挙げた三ツ谷に視線が集中するとパンツの後ろポケットから何やら紙を取り出した
「これは…?」
「マンションの見取り図です」
悟が指を指しながら聞いてきた言葉に瞬時にそう答える三ツ谷にや周りにいたマイキー達もギョっとした
「俺なりに調べてみたんですが この物件ならセキュリティもしっかりしているし エントランスにも警備員がいて安全だと思うんです」
その他にも万全なセキュリティの説明を延々と続ける三ツ谷に対して悟は慌てて止めた
「ま…待ってくれ!君…三ツ谷くんは何でそんなに一生懸命になってくれるんだい?」
いくら心配だからといってここまでしてくれる事に疑問を抱いた
「…それは…」
一瞬、視線を彷徨わせていたが じっと悟を見つめてキッパリと口にした
「俺にとっても大事な人だから 少しでも安心出来る場所を作っていきたいんです」
真っ直ぐと悟を見て話す三ツ谷の言葉は正直過ぎるストレートな言葉だった
「あ、三ツ谷に先越された」
ボソリと呟く声にバッと今度は別の声に周り反応した
「考えることは一緒なんだなぁ…」
言いながら声の主、マイキーがゴソゴソとポケットから取り出したのも家の見取り図だった
「えっ!マイキーも調べてたの!?ウチも同じなんだけど!」
そう言ってエマもまた慌ててポケットから家の見取り図を出した
「お前ら揃いも揃っての事大事にしすぎだろ」
その様子に笑って言うドラケンだったが「まぁ、俺も人の事言えないわな」と言いながらドラケンもまたポケットから見取り図を取出した
「…私、こんなに友達に想って貰えて嬉しいなぁ…」
はその光景を本当に嬉しそうに見て笑った
その笑顔にマイキー達もつられるように笑った
「はとてもいい友達と巡り会えたんだね」
悟はエマ達 一人一人の顔を見ながら安心したような顔をした
「これは全部貰ってもいいのかな?」
近くにいた三ツ谷の持っている見取り図をスルリと取りながら悟は言った
「持って帰ってと一緒に検討するよ」