第2章 居場所=三ツ谷隆
「……は?」
マイキーの言葉に香織はピクッと眉をひそめた
「にアンタらの事聞いて心配で付いてきたんだよ」
「話を聞いた限りじゃ お前等が何しでかすか気が気じゃねーんだよ三ツ谷は」
マイキーの言葉に便乗するようにドラケンもそう口を開くと「付いてきて正解」と皮肉った
「なんで…そもそも接点…」
「接点なんていくらでも作れるだろ?」
「まぁ、集会にも来てたし」
「あの地味子が!?」
思わず口にしてしまった言葉に香織は口を押さえる
「だって私も集会には行ってたのに1度も…」
「あ〜そういや面白いくらいに会わなかったな」
「会ってたら2度と来れねーわな」
「…?それどういう…」
口々に言い出す言葉に香織は顔をしかめたまま首を傾げた
「だってバイクでと一緒に来てから帰るまでずーっと三ツ谷、べた惚れです!って顔してんだもん」
ニマニマと弧を描くように笑みを浮かべるマイキーの言葉に思わず香織は三ツ谷に詰め寄った
「噓!私には『女は乗せない』なんて言いましたよね!」
三ツ谷は掴まれていた香織の腕を軽く振り払うと小さくため息をついた
「あれは体のいい断り文句だよ、そもそも俺は好きな女以外 女は乗せないんだよ」
三ツ谷の衝撃的な1言に香織は目を見開いた
私よりあんな女の方がいいの?あんな女に劣るなんてあり得ない
きっと三ツ谷先輩はあの女に騙されているんだ
それなら私が説得しなければと都合のいい解釈をする
「三ツ谷先輩っ!」
「うぉわっっ」
振り払われても尚も腕に絡みつく香織に三ツ谷は眉を顰めた
「あの子に私の事を何て言われたかわかりませんが あの子、時々虚言癖があるんです!」
「…は?」
「うわ〜あそこまでになると流石に怖いわ」
「…同感だな」
三ツ谷達の後ろで聞いていたマイキー達はボソっと呟いた
「ね?だから今から真実をお話しますから2人でリビングに行きましょう?」
そう猫なで声で三ツ谷の腕をグイグイ引っ張る香織に三ツ谷は暫し考えるように見つめて それからにっこりと笑った
三ツ谷が笑ってくれたのが嬉しくてつられるように香織も笑ったが その笑顔はすぐに引っ込んだ