第2章 心をさらったあなたへ
「…んな怒るくれーならさっさと嫁にしちまえばいいのに」
「っげっほ!げっほ!!ぃってぇ…」
「おぉわり、傷に障るか?」
「…テメェの存在がなァ…」
「言うねぇ…ま、不死川もいい音するようになったことだし、傷に障る俺はさっさとお暇しましょうかね。じゃめでたく嫁になったら教えろよ」
「ならねぇ」
「なんで?」
「なんでも何もあるか。まだ鬼舞辻を殺ってねェ。何の血筋でもねぇ俺が所帯なんざ持ったって迷惑かけるだけだろォ」
「…なんでそこまで『優しい』かねぇ、不死川サンは。」
「腹立つ言い方すんな」
「前でも後ろでもなく、隣を走ってくれる奴がいるっていいもんよ?それが自分より大事にしたいと思える奴なら尚更な」
「………」
「俺もしかして今いいこと言った?」
「今ので台無しだァ」
「派手を司る神だから当然だな!この際縁結びの神も名乗っとくか!!」
「るせェ!!!」
「ハイハイ、んじゃおだいじにー。…あ。」
ヒラヒラと後ろ手に手を振った宇髄が、扉の手前で真剣な空気を纏った
「…まだ何かあんのかァ」
「…間違ってもここではヤん「ぶち殺すぞォ!!!!!」っあオイ、やめろ…!」
ばふ!!!…ぼと。
「「……………」」
「……お二人とも?ここは 病院 ですよ?」
「「………スミマセン」」
二人揃って胡蝶にこっぴどく絞られた。