第2章 心をさらったあなたへ
「さーねーみチャン」
「帰れェ」
「なぁに冷てえの」
雪村と入れ替わるように派手な筋肉が襲来した。部屋が狭くなった気がする。
「元気そうじゃん」
「そりゃどうも」
「の割には地味な音してんねぇ。なになに?おにーさんに言ってみー」
「うるせェ何もねぇよ帰れ」
「お?難しいオトシゴロか?母さん寂しいわ」
「こんな母親だったらグレんぞ。帰れっつってんだろ」
「まーいいじゃん。どうせ暇だろ?付き合えよ」
そう言って音柱は椅子にどかっと腰を下ろした
「さっき出てった女の子、お前のコレ?」
「その指折られてェか」
「お、いい音になってきたねぇ♪」
「……雪村はそんなんじゃねぇ」
「ふーん。呼吸は?水か?」
「隊士じゃねェここの医者だァ」
「マジか。わかんなかったわ」
「…何で水の呼吸だと思った」
「今さっきすれ違った時、水みてぇな音がした。剣士じゃなくてもあんな音すんだな」
「……へェ…ま、人には人の事情ってもんがあんだろ」
「…ついでに、派手にイイ音してたぜ」
「は?なんだよそれ」
「さーな、本人に聞けよ」
「テメェ本当に暇潰しに来たな」
「まぁな。けどかわいー子じゃん、顔真っ赤にしちゃってさ」
宇髄はニマニマとこちらを見てくる
ムカついたので思いっきり睨みつけてやった