第2章 心をさらったあなたへ

意を決したように、細い指がくるくると赤の滲む包帯を解く



…なんだこれは？



雪のように白く透き通る肌に、朝陽を受け青や緑に煌めく鱗。
それを囲うように広がるぼこぼことした赤紫の痕と、重なる何本ものまだ新しい傷。



震える声が、語り始めた。



「…以前申し上げました。『一応女です』と。私は、水竜の血を引いています。

一族には水癒と呼ばれる治癒の力があり、加えて医術を学ぶことで、代々、薬師や医者として生活をしてきました。」