第15章 パパの育児奮闘記?(ヤタカ編)
次の日ヤタカが目を覚ますと涼子はもう居なかった。部屋には手紙と涼子が大切にしていた小さなぬいぐるみが残されていた。
『パパへ
10年間ありがとう。いつか戻るから私のこと忘れないで待っててね。元気でね。』
ヤタカ「涼子……。また会える日を楽しみにしてるからな…。」
ヤタカは涙を流した。
そして年月は経ち降し合いが始まった。
ヤタカが秘女王の元へ一人で向かい無事に辿り着いた時もぅキクリの命が尽きようとしていた。
ヤタカ「キクリ!!…すまない。僕のせいで…。」
するとそこに少し成長した涼子が帰って来た。
「パパ…。」
ヤタカ「……涼子なのか?」
「うん。やっと戻って来れたよ……その人どうしたの!?」
瀕死のキクリを見て涼子は驚いた。
ヤタカ「この女性は僕の大切な人…僕のせいでこんな事に…。」
ヤタカは涼子に事情を全部話した。
「パパ…。そうか…大好きな人とちゃんと出会えたんだね。……私に任せて!そのお姉さんのこと助けるから!」
ヤタカ「助けるって…?」
「私ちゃんと一人前の魔法使いになれたんだよ!だからその人のこと助ける!」
ヤタカ「待ちなさい!魔法で怪我や病気を治したらいけないんだろ!?」
「…大丈夫だよ!だからパパ元気出してね!」
涼子はそう言うと呪文を唱える。
「この者の命を救いたまえ!魔法使い涼子が命ずる!!」
そして秘女王の傷は完全に塞がり顔色も元に戻った。
「これでもう大丈夫だよ!」
ヤタカ「涼子……ありがとう…!?どうしたんだ!?体が透けてるぞ!?」
「…禁断の魔法だったから私は消えなきゃいけないんだ。」
ヤタカ「そんな魔法を何故使った!?」
「…だってそのお姉さんが死んだらきっとパパも死んじゃうでしょ?そんな顔してたよ?私、その方が嫌だもん。それにパパの為にやったことだから後悔してないよ?」
ヤタカ「…君の命と引き換えだなんて。そんなの僕が喜ぶわけがないだろ!?」
「大丈夫だよ。消えるだけだから痛くないし…それにまた生まれ変われるから。私パパの本当の娘に生まれ変わりたいな…。だからその…キクリさんと幸せになってね?」
ヤタカ「涼子……。」
ヤタカは涼子を抱きしめた。
「さようなら…。パパ…また会おうね。」
そして涼子は消えた。