第7章 からくり人形とヤタカ
そして外で
ヤタカ「リョウコー!!どこだー!?」
とにかく虱潰しに探す。
ヤタカ「いない…どこに居るんだ。」
リョウコは外を出歩いたことがないのでどこにいるのか検討もつかない。
とりあえず気分を落ち着かせリョウコなら何処に行こうとするか考えた。
ヤタカ「………そういえば前に海が見てみたいと言っていたな…。もしかしたら!!」
ヤタカは自宅から一番近い海へ行ってみる。
そして崖の上から海を見つめている涼子が居た。
ヤタカ「リョウコー!!」
「………ヤタカ様。」
ヤタカ「よかった…。見つかって…。」
「ヤタカ様。ダメです。私が居ては貴方様に悪影響が…」
ヤタカ「そんなことはない!!一緒に帰ろう?両親は僕が説得するから!」
「ヤタカ様…。」
ヤタカ「頼む!僕は君が居ないと生きていけない…。君が居ない生活なんて考えられないんだ!」
ヤタカはリョウコを抱きしめた。そして口付けをする。
「ヤタカ様…私も本当は貴方様と離れたくない…。でも私が居るとヤタカ様のご両親が…。」
ヤタカ「両親なんていい!!リョウコ…二人でどこか遠くへ行こう?そうすれば僕らを邪魔する者はもういない!」
「そんな…ご両親を捨てるわけにはいきません。ご両親にとってヤタカ様は何よりも大切なはず。」
ヤタカ「僕にとっては君が何よりも大切なんだ!」
更に強く抱きしめる。
すると突然かなり大きな地震が起きた。
ヤタカ「!?地震だ!!リョウコ!ここから離れよう!」
二人は離れようとしたがリョウコがよろけて崖に落ちそうになった。
「きゃっ!!」
ヤタカ「リョウコー!!」
ヤタカがリョウコの腕を掴みなんとか落ちるのは阻止できた。
「ヤタカ様!このままでは貴方様まで…手を離してください!!」
ヤタカ「ダメだ!絶対離さない!!」
「……………(このままではヤタカ様まで落ちてしまう。)」
リョウコはヤタカを見て微笑んだ。
「ありがとうございます。さようなら…。」
リョウコは自分の腕を外して海へと落下して行った。
ヤタカ「リョウコー!!」
ヤタカの元にはリョウコの手首と贈った腕輪のみが残った。そしてヤタカは気を失った。