第7章 からくり人形とヤタカ
次の日人形屋にて
ヤタカ「この人形買います!お父様からお金預かってきました!」
商人「これはこれは。お買い上げありがとうございます。大切にしてやってください。」
そしてヤタカの元にからくり人形のリョウコがやってきた。
ヤタカ「ここが僕の部屋だ。君は僕とここで暮らすんだよ?(まさかこういう会話はできるわけないよな?)」
「はい。分かりました。私はこの部屋で何をすればいいのでしょう?」
ヤタカ「いや…ただ、僕の話し相手してくれればいいよ。」
「分かりました。私で良ければいくらでも話し相手になります。」
ヤタカ「(多少、機械的な感じもあるけど普通に会話できるんだなぁ…凄いや。)そうか…。じゃぁちょっと聞いてみるけど…君はいつ生まれたんだい?」
「今日でちょうど生まれて100年目になります。私今日が誕生日なんですよ!誕生日にヤタカ様のところへ来られて嬉しいです。」
リョウコは微笑んだ。
ヤタカ「(やはり…この表情…まるで人間じゃないか。可愛い…。)そうなんだ。誕生日おめでとう。リョウコ、君は僕の元でこれから何回も誕生日を迎えることになると思う。よろしく。」
「ありがとうございます。よろしくお願いします。」
そして毎日のようにヤタカはリョウコとの会話を楽しんだ。そしてどんどんリョウコにのめり込んでいく。
ヤタカ「リョウコは可愛いな…。」
「えっ?」
ヤタカ「リョウコは可愛いよ…とても可愛い。」
リョウコの髪を優しく撫でた。
「ヤタカ様…ありがとうございます。」
ヤタカ「リョウコは…僕をどう思う?」
「私にとってヤタカ様はとても大切なご主人様です。」
ヤタカ「ご主人様か…。」
「ヤタカ様?」
ヤタカ「…僕は君のことが好きだと言ったらどう思う?」
「もちろんとても嬉しいです。」
ヤタカ「嬉しい以外に何か思う事はないかい?」
「………ヤタカ様、私は人形ですよ。本当の心はないのです。そんな心のない人形に好きなんて言葉は勿体ないです。是非もっと素敵な人間の女性に言って差し上げてください。」
ヤタカ「…僕が好きなのは君だけだ。」
ヤタカはリョウコを抱きしめた。
ヤタカ「愛してるんだ。」