第7章 からくり人形とヤタカ
これは大昔、ヤタカが15歳の頃の話です。
ある日ヤタカは街を歩いているとある店で人形を見つけた。
ヤタカ「これは…人形??」
商人「これはこれはヤタカの御坊ちゃま。こちらは、からくり人形でございます。」
ヤタカ「からくり人形?」
商人「はい。動くのは勿論のこと更にこの人形は心を持っているかのように話したりできるのです。」
ヤタカ「人形が話す?まさか…。」
商人「本当でございます。動かしてみせましょう。」
そう言うと商人は人形の後ろ首にある小さい出っ張りを押す。
「こんにちは。あなたのお名前は?」
ヤタカ「えっ…僕?」
「はい。あなたのお名前を教えてください。」
ヤタカ「ヤタカです。」
「ヤタカ様ですね。私はリョウコ、よろしくお願いします。」
リョウコと名乗る人形はヤタカの手を取り優しく微笑む。ちなみにリョウコは15歳くらいの少女の姿である。
ヤタカ「(なんか…可愛いなぁ…。)」
商人「どうです?本物の人間のようでしょ?」
ヤタカ「うん!凄い…。」
商人「こちらお気に召したのでしたらお買い上げになりませんか?全く同じ物はない一点物ですよ?」
ヤタカ「でも凄い高いでしょ?お父様に聞いてみないと…。とりあえず取り置きしといてもらうことってできるかな?」
商人「はい!できますとも!是非前向きにご検討ください!」
その日の夜
ヤタカ「お父様…僕どうしても欲しい物があるのですが…。」
父「ん?何が欲しいんだ?」
ヤタカ「…人形なんだけど。」
父「人形だって!?またなんでそんな物を?」
ヤタカ「ただの人形じゃないんだ!動いたり話したりできる人形なんだよ!」
父「あぁ…からくり人形か。そんなに欲しいのか?」
ヤタカ「うん…。ダメかな?」
父「まぁいいだろう。お前がそんなに欲しがるのも珍しいからな。」
ヤタカ「本当!?ありがとう!」