第67章 ヨルナミとおバカ主人公24
「ヨルナミ〜!!」
今日もおバカな涼子はヨルナミの名を叫びながら廊下を走っていた。
ヨルナミ「涼子!廊下を走ってはいけません!」
「え〜。誰かにぶつかったり何か壊したわけじゃないんだからいいじゃん。」
ヨルナミ「今回は大丈夫でも次はぶつかったり壊す可能性もありますし、それに万が一転んで怪我をしたらどうするのです?」
「いや、私小さい子供じゃないから大丈夫だし?」
ヨルナミ「そなたは子供のようなもんでしょう。で?何の用です?」
「あぁ!そうそう!あのね……んげっ!!」
話しながらヨルナミに近付こうとすると突然、段差もないのに転びヨルナミの机に頭をぶつけてしまった。
ヨルナミ「まったく…なんでそこで転ぶのです?ほら、死んだふりしてないでさっさと起きなさいな?」
「……………。」
声をかけても涼子は動かなかった。
ヨルナミ「……涼子?」
「……………。」
ヨルナミ「…まさか!?」
涼子は頭を打ったショックで気を失っていた。
ヨルナミ「……医師に…早く医師に診せなくては!!」
ヨルナミは涼子を抱き抱え医師の元へ向かった。
幸い命に別状はなかったので目が覚めるまでしばらく見守っていたのだが…
「………んっ……ここは…?」
ヨルナミ「はぁ…やっと目を覚ましましたか。まったく…驚かせないでくださいよ。」
「え………?」
ヨルナミ「そなたは転んで頭を打って気を失ってたんですよ。」
「あの……誰ですか?」
ヨルナミ「は?」
「あなたは誰?」
ヨルナミ「……そんな…」
また医師に診せると一時的な記憶喪失との事でしばらくヨルナミや属鞘が涼子の面倒を見る事になった。
ヨルナミ「そなたは自分の名前は分かります?」
「はい。涼子です。あの…ヨルナミさんと私はどういう関係なのでしょうか?」
ヨルナミ「…まぁ、強いて言うなら家主と居候の関係ですね。」
「えっ!?ヨルナミさんって…いいご身分のような見た目なのに実は宿無しの居候なんですか!?」
ヨルナミ「居候はそなたの方ですからね!?」
「冗談でござる。」
ヨルナミ「ござるって…本当に記憶無くしてるんですか?」
「自分が世界一美しいということ以外全く思い出せません…。」
ヨルナミ「…記憶を無くしたついでにまともな人間になってくれればよかったのに。」