第6章 熱に焼かれる
「あらあら。突然どうしたんですか?そんな事をすると、煉獄さんに嫉妬されてしまうので困りますよ」
しのぶさんはそう言いながらも、私のこの行動を本当に拒否している様子はなかった。
「‥しのぶさんは特別です。だって私の大切な友人ですから」
「それはそれは。ありがとうございます」
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しのぶさんとお茶を飲み終えた後、朝食の配膳や部屋の掃除を手伝い、それも終えると中庭で鍛錬をさせてもらっていた。やらないとどうしても落ち着かない。1日鍛錬をしなかっただけでも、弱くなってしまうような気がしてならない。木刀は持って来ていないので、筋力と瞬発力を上げる内容のみになってしまうが。
素振りがない分いつもより多めにそれらをこなし、休憩しようと縁側に腰掛けると可愛い3人組が近づいて来た。
「お疲れ様ですナオさん。よろしければこのタオル、使って下さい」
「ありがとう!遠慮なく使わせてもらうね!もしかして終わるの待っててくれたのかな?」
偶然来たにしてはタイミングが良すぎる。不思議に思いそう聞いてみると、3人は嬉しそうにニコッと笑った。
「ナオさんと煉獄様は恋人同士なんですよね!」
「お二人は結婚のお約束をされてるんですよね!!」
「ぜひお二人のお話をおきかせください!!!」
なんて可愛い3人組なんだろうか。千寿郎さんよりも年下で、更に女の子とくれば私にとっては可愛い以外の何者でもない(もちろん千寿郎さんは別格だが)。
「んー!もう3人とも可愛い!良いよ!何でも聞いてちょうだい!」
そう答える私に、きゃーと3人は声を揃えて喜んでいた。
「ではでは!煉獄様とはどうやってお付き合いされたのですか?」
「煉獄様のどこがお好きなのですか?」
「お2人はいつ結婚されるんですか?」
矢継ぎ早に飛んでくる質問に、ちょっと恥ずかしいなと思いながらも全て答えた。終いには「ナオさんは本当に煉獄様の事が大好きなんですね」なんて頬を赤くしながら言われるもんだから、私まで赤面してしまった。
昨日、いや厳密に言えば今朝まで任務続きだった為、私も杏寿郎さんも明日は遅めの任務のはずだ。迎えにくるとすれば任務前だろう。それまでせっかくだから羽を伸ばそう。
蝶屋敷のみんなのお陰で、心が冷え込むことはもう無くなっていた。