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暖かく和やかに【鬼滅の刃】【煉獄さん】

第6章 熱に焼かれる


‥確かにそうだ。あのことは無かったことにはできないし、そう簡単に忘れることはできない。それでも、それに拘り囚われ続ける事で得るものは‥何もない。そればかりか、杏寿郎さんと過ごす貴重な1日1日を無駄に過ごすことになる。‥明日どちらかが死んでしまうことだってあり得るのに。

しのぶさんを見ると、穏やかな優しい目で私を見ていた。その姿はやはりカナエさんとよく似ていて、カナエさんを思い出してなんだか悲しくて、暖かくなった。

「‥ありがとうございます‥。しのぶさんの‥言う通りだと思います。明日‥杏寿郎さんとちゃんと話をしようと思います。でも‥今日1日だけ、ここで過ごす事を許してください」

「はい。もちろん。私は初めからそのつもりでしたので。あ、でもきちんとお手伝いはしてもらいますからね」

「もちろん!力仕事でも何でも、任せてください!」

正直言って、蝶屋敷に逃げて来たものの、しのぶさんがこんなに真剣に私の話を聞いてくれるとは思ってもみなかった。カナエさんがかつて「しのぶはそういう話に興味を示してくれないからつまらないの。なんでも医学的視点で考えようとするんだもの」なんて言っていたことがあったから。

「‥どうかしましたか?」

思わずじーっと見つめてしまい、しのぶさんに不思議そうな顔をされてしまう。

「‥あの‥しのぶさんが私のくだらない悩みをこんなにも真剣に聞いてくれるなんて‥ちょっと意外で」

「あら!折角聞いてあげたのに失礼な事を言いますね」

しのぶさんは少しムッとした顔ををする。

けれど、「すみません!つい!」と慌てる私が可笑しかったのか、フフッと吹き出しクスクスと笑い出した。

「冗談ですよ。ナオさんの言うことはあながち間違ってはいないですし。私は色恋沙汰にはあまり興味もないし、ましてや他人の惚れた腫れたの問題に首を突っ込みたいとも思いません」

ならば尚のこと不思議だ。突然押しかけられ、泣かれ、追ってきた杏寿郎さんを追い返して、話も聞いてくれて。今日の私は邪魔者以外の何でもないはず。

「‥じゃあ‥どうして」

「‥姉は、ナオさんと煉獄さんが恋人同士になる事をとても楽しみにしていたので。私も、貴方達2人のことは応援したいと思っただけです」

しのぶさんは少し悲しそうに微笑みそう言った。気づくと私は、しのぶさんの身体を抱きしめていた。
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