第5章 隠せない隠さない
時限爆弾を2個は解除できた。あと何個あるのだろう?と今も探しに飛んでいる相棒の姿を確認しようと上空を見上げようときた時、不穏な気配を辺りに感じる。そこからズズズと気味の悪い犬が現れる。
これもあいつの血鬼術なの?大変!逃げ遅れた人を守らなきゃ!
呼吸を駆使し化け犬を斬る。でも斬っても斬っても湧いて出てきて、段々と疲労が溜まっていく。それでも脚は止めない。化け犬を追い角を曲がった先には、犬に囲まれ座り込む蜜璃ちゃんの姿。
「蜜璃ちゃん!立って!蜜璃ちゃんなら出来る!自分の力を信じて!」
進みたいのに化け犬の数が多過ぎて中々前に進めない。叫び声が聞こえ、そちらに目を向けると今にも襲われそうな親子の姿。
「蜜璃ちゃん!」っと叫ぼうとしたその時、今まで座り込んでいたのが嘘のように犬を見事に斬り捨て親子を助ける蜜璃ちゃんの姿。仲間を呼び多数で向かってくる化け犬にもしなやかな動きで挑んでいく。その姿に、もう自分が心配しなくても蜜璃ちゃんも立派な隊士の1人なんだと気付かされた。
私も、わたしのやるべきことをしよう。
相棒の鳴き声を拾い、化け犬を斬りながら時限爆弾を解除する。呼吸の使いすぎで身体が痛いし、化け犬に噛まれたり引っ掻かれたりした傷もかなり多い。それでもやらなきゃ。だってこの間も師範はあの鬼と戦ってるはずだから。師範があの鬼との戦いに集中出来る様に、私は出来るだけ多くの化け犬を斬り、爆弾を見つけ、仲間を、市民を助けなきゃいけない。
今までで最大の轟音と燃え上がる炎に、師範があの技を使ったのだとすぐにわかった。すると化け犬が急に燃えかすのようになる。師範が鬼の頸を切ったんだ。
‥っ師範!
私は轟音がした方へ急いで向かった。
今にも倒れそうな師範は蜜璃ちゃんの手によって抱きとめられていた。
「やった!十二鬼月を倒した!これで煉獄さんは柱に‥!」
師範を離すように言われているが、喜びで全く聞こえたいないのだろう。蜜璃ちゃんは師範を抱きしめて泣いていた。
「蜜璃ちゃん。落ち着いて」
「ナオちゃん!師範が柱に!」
「うん、そうだね。私も凄く嬉しい」
蜜璃ちゃんの手に自分の手を重ね、なるべく優しく声をかける。
「ほら。師範の手当をしてあげないと大変」
ようやく手を離した蜜璃ちゃんから師範を受け取る。
「‥柏木?」
