第5章 隠せない隠さない
帝都東京。ここに十二鬼月が潜んでいると言う。私は1人、師範や蜜璃ちゃん、そして他の仲間からは距離を取り隠密に行動していた。当初の作戦では師範以外の隊士が2人1組になり見廻りを実施することになっていたが、蜜璃ちゃんの隊士としての経験が浅いこと、そして任務の成功率を上げるため師範の次に今回の隊士の中で階級が上の私が身を隠し鬼の動向を探り、あわよくば奇襲攻撃をかける事となった。そうさせて欲しいと私が師範にお願いした。十二鬼月は手強い。力だけでなく頭も働く。私が1人で行動することに師範はかなり渋ってはいたが、任務の成功率をより上げるためと説明したところなんとか納得してもらった。
絶対にこの任務を成功させて、師範を柱にするんだ。
建物の天辺から帝都を見渡す。今のところ異常はない。見廻りをしている隊士の様子にも変化はない。今日は現れないつもりだろうか、と私が思ったその時、轟音をたて建物の一部が吹き飛んだ。それも何箇所も。
爆弾!?鬼が‥爆弾を使うの!?
ダメだ焦るな。周りをよく見ろ。目を凝らし辺りを見回す。すると目に入ったのは、先程まではいなかった建物の屋上で銃を構える鬼の姿。その鬼の銃口は師範と蜜璃ちゃんの方を向いていた。
不味い‥っ!
渾身の力を脚に込め跳躍する。
炎の呼吸参の型気炎万丈。
一気に距離を詰め攻撃を放つ。だがやはり距離が遠過ぎたのだろう。攻撃は避けられてしまった。それでも師範と蜜璃ちゃんへの攻撃を防げたのだ、それで良い。
「っち!なんだ貴様。貴様も煉獄の部下か?お前なんかに用はない!俺の復讐の邪魔をするな!」
師範に何か私怨があるのか?
「私があんたの言うこと聞くと思う?」
「のんびりおしゃべりしてる暇ないんじゃないか?帝都中あちこちに時限爆弾を仕掛けてある。早く見つけないと沢山の人間が死ぬことになる」
「‥っなんて事を!」
この鬼を放っておくわけにはいかない。でも時限爆弾を放っておくこともできない。どうするべきかと悩んでいると、こちらに猛スピードで近づいてくる慣れ親しんだ気配。
「またせた、柏木!」
「師範!すみません!この鬼をお願いします!私は爆弾を探しに行きます!」
「わかった」と言う師範の返事を聞き終わる前に私は建物から飛び降りる。
「お願い!爆弾を探して!」
落ちながら頼りになる相棒に指示を出す。
