第4章 赤く赤く
「明日も稽古だ!そろそろ寝るとしよう」
「はい!お付き合いいただきありがとうございました」
「礼などいらん!俺の意思でしたことだ」
師範のそういうところが、たまらなく好きだ。でも、この気持ちは出来るだけ心の奥底に沈め、決して知られることのないようにしなくてはならない。一方的に思い続けることだけは‥許して欲しい。
そんな私を知ったらカナエ様は怒るかな。
「明日からまた、厳しい稽古、お願いします!」
「うむ!任せろ!」
そして私達はそれぞれの部屋に戻り、朝を迎えいつもの稽古の日々に戻った。