第13章 暖かく和やかに
「一緒にいた故何かしらないかと小芭内を通して甘露寺に聞いても、不死川を通して胡蝶姉妹に聞いてもなんの情報も得られなくてな」
それはそうだ。蜜璃ちゃんしのぶさん、そしてカナエさんにもし万が一杏寿郎さんに私の居場所を尋ねられても、答えないようにお願いしたのはこの私だ。
「宇髄の妻とも交流があったことも思い出し、宇髄にも聞いてはみたもののそこも空振りだった。なんの情報も得られず焦る俺を見かね、不死川と宇髄が来てくれたんだ」
「…そうだったんですね」
「今考えると、不死川はナオが胡蝶先生のところにいるのを最初から知っていたんだな。俺が無駄に探し回らないよう、何かと動くな、落ち着けと言ってひと所に留めようとしていた」
「あ、成程!だからカナエさんは私が帰るって言ってすぐに杏寿郎さんを呼ぶ事が出来たんですね」
「…よもや自分1人で帰ろうとしていたのか?」
ギクリ。
しまった。流石にそこは言わない方が良かった。そう思い、私は上目遣いをしながら
「…どうしても、杏寿郎さんに会いたくなっちゃったんです」
普段はしない甘えた口調で小首を傾げながらそう言った。杏寿郎さんはそんな私をジッと見つめた後、ふぅと一回ため息をつき
「ナオのその仕草は可愛すぎてずるい。大丈夫だ。流石に今日の今日で君に何か言ったりはしない」
「…はい」
私は杏寿郎さんの左腕にしがみ付き、おでこをグリグリと擦り付けた。そこでフとある事を思い出す。
「…あの、杏寿郎さん」
「何だ?」
「カナエさんと不死川様って、仲がよろしいんですか?」
カナエさんはあの時、宇髄様の事は"宇髄先生"と呼んでいたが、不死川様の事を"不死川くん"と呼んでいなかっただろうか。それに、鬼滅学園で集まった時も、一緒に来ていたようだし、2人で話す姿をよく見かけた気がする。
「む?君はあんなにも胡蝶先生と仲が良いのに知らないのか?あの2人はまだ付き合ってはいないようだが、お互いに好き合っている様だぞ?」
お互いに好き合っている?
「…カナエさんと、不死川様が好き合ってる…?」
「ああ。俺は詳しくは知らないが、宇髄の話では不死川は昔から胡蝶先生の事が好きだったそうだぞ」
昔から…好きだった?
「っえー!?」
と言う事は…花柱様だった時に話していた気になっている人って…不死川様だったの?
