第13章 暖かく和やかに
そんな私の様子に気がついたカナエさんが
「あ!勘違いしないで欲しいの!不死川くんと宇髄先生にナオちゃんが私のところにいるって教えたのは私。だから自分のせいでなんて思わないでね?」
慌てた様子でそう言った。
「…でも」
「でもじゃないの。私も含め、みんな好き好んでナオさんと煉獄先生の事に首を突っ込んでいるの。だからそんな顔しないで」
カナエさんはとても優しい目で、私のそれを覗き込んだ。
「…はい。ありがとう…ございます」
「お礼なんて良いの。私達はただ、ナオさんと煉獄先生にちゃんと仲直りして欲しいだけ。ほら、そろそろ来る頃よ」
カナエさんの言葉通り、
ピンポーン
と再びインターホンが鳴る。
カナエさんはカメラを覗き込み、"ふふっ"と笑うと
「さぁ。お迎えが来たわよ。ナオさんが出てあげてちょうだい」
と言った。私はその言葉にコクリとゆっくり頷き
きっと、ドアの向こうに杏寿郎さんがいる。
そう確信を持って、カナエさんに言われた通り玄関へと向かった。ガチャリと鍵を回し、ドアをゆっくり開けると
「…ナオっ…」
「…杏寿郎さん…」
安心したような、それでいて未だ不安気な表情の杏寿郎さんがそこにいた。杏寿郎さんはゆっくりと玄関の中に侵入すると、
「すまなかった…俺を許して欲しい…」
そう小声で呟き、恐る恐ると言った様子で私を抱きしめる。
「…私の方こそ…ひどい事を言ってしまって…ごめんなさい」
私もゆっくりと杏寿郎さんの背中に腕を回し、その身体を抱き返した。
「…あんなこと…本当は思っていません。杏寿郎さんが私のことを大切に思っていてくれてるって…ちゃんと分かっています」
「いや。俺が心配のあまりナオの行動を制限するようなことを言ったのがそもそもの原因だ。母上にも、千寿郎にも叱られてしまった」
「…千寿郎さんにですか?」
杏寿郎さんから出た意外な言葉に、私はパッと顔を上げる。
「うむ。お腹の子が産まれたらナオはしばらく好きに外出することも出来なくなるんだ。産まれる前くらい好きにさせてやるのも夫の務めじゃないのかと…」
「千寿郎さんが…そんな事を?」
「あぁ。俺よりも…千寿郎の方がよっぽど大人だ」
そう言って笑う杏寿郎さんにつられて、思わず私も笑った。