第13章 暖かく和やかに
「これはこれは。流石ナオさん命な煉獄さんですね」
「あははは…」
乾いた笑みしか出てこない。けれども、この不在着信の感じから行くと、恐らく瑠火さんから話を聞いたのではないかなと予想ができ、若干の安心感を覚えた。
「ところで、ナオさんは一体どこに泊まるつもりでいるの?」
「すぐそこに漫画喫茶がありますよね?あそこ、確かシャワー室とかもあったので、あそこに一泊しながら漫画でも読み漁ろうかと思いまして」
家出を決行する事を決意した時、真っ先に思いついたのが漫画喫茶だった。あそこならお金もそんなにかからないし、なによりも楽しく過ごせる。何の漫画を読もうかと楽しみにしていたが、
「あの漫画喫茶、最近痴漢がよく出るようなのでお勧めできませんね」
「え!?本当ですか!?」
しのぶさんの言葉で、一気に楽しみな気持ちはなくなった。
「痴漢が出るの?だめよ!だめだめ!そんな危ないところに泊まったりしないで!」
蜜璃ちゃんは私の手を取りブンブンと首を左右に振る。
「…ご安心下さい。それを聞いて私も泊まる気は一気に無くなりました。お金はかかってしまうけど、無難にシティホテルにでも泊まる事にします」
痴漢にあう危機にさらされる位なら、お金をかけて安心して泊まれる場所に行った方がずっと良い。すると私の言葉に
「それなら私のお家に来たらどうかしら?」
と、カナエさんが右手を挙げながらそう提案してくれた。なんと嬉しい提案なんだろうか。
「…良いんですか?」
私の周りはパーっと花が咲いたように明るくなっていたに違いない。
「ええ。ナオさんさえ嫌じゃなければ、私は逆に嬉しいくらいよ」
「確かにそれが1番安心かもしれませんね。私もご一緒したいところですが、残念ながらこの後レポートを書かなくてはならないので、今回は諦めるしかなさそうです」
「私も行きたいわ!でも、この後伊黒さんと会う約束をしているから…今度予定を合わせてパジャマパーティをしましょう!そうしましょう!」
「それはなんとも素敵な提案ね」
「それじゃあまた近いうちにみんなで予定を合わせましょう!」
4人でパジャマパーティ。想像しただけで心が躍るのを感じた。
「はい!みんなでパジャマパーティ…楽しみです!」
「ふふふ。決まりね」
そう約束をし、この場は解散となった。