第13章 暖かく和やかに
待ち合わせの10分前に着いたので、店の前には誰の姿もなく私が1番乗りのようだった。
ピコン
スマートフォンをがメッセージの到着を知らせ、ポケットから取り出し画面を見ると
"15:00までには帰る”
と杏寿郎さんからメッセージが一通。それに対して私は
"今日は帰りません。詳しくは帰ってから瑠火さんに聞いてください"
と返事を送り、メッセージアプリの設定を表示すると、杏寿郎さんの通知設定だけをOFFにし、ポケットへと戻した。けれどもその直後
ポロンポロンポロン
と電話の着信を告げる音が。再びポケットから取り出し、画面を見ると予想通り杏寿郎さんの名前が。
今日は…今日だけは何にも気にせず自由にするんだ。
そう決意を込め、私は"拒否"ボタンをタップした。けれどもその直後、
ポロンポロンポロン
と再び杏寿郎さんからの着信が。このままではあっという間にスマートフォンの電池がなくなると判断した私は、再び杏寿郎さんからの着信を"拒否"すると、その後すぐにスマートフォンの電源を落とした。
きっと今は時間的にお昼休憩中のはず。もう少ししたら電源を点けて…着信も拒否設定にしよう。
そう決意を固め、私は鞄の底へとスマートフォンを突っ込んだ。
そうこうしている間に
「あ!ナオちゃーん!」
蜜璃ちゃんが到着したようで
「蜜璃ちゃん!久しぶり!」
「きゃー!いつのまにかそんなにお腹が大きくなったのね!」
私は依然としてモヤモヤとするこのどうしようもない気持ちを、心の奥底へと沈めた。
———————
楽しい時間と言うのは驚く程あっという間にすぎてしまい、今日の女子会は終わりの時間を迎えようとしている。
「なんだかあっという間に終わっちゃったわね!今からもう次が楽しみだわ!」
「そうですね。次はナオさんの赤ちゃんが産まれた時になりますかね」
「そうねぇ。それまでにもう一度くらい会えたら良いんだけど」
「私は10月20日以降は仕事も退職してしまうので、皆さんに予定を合わせられます!なので気軽に声をかけてください」
「ふふっ!ナオちゃんと煉獄さんの赤ちゃん、本当に楽しみだわぁ!…ところでずっと気になっていたんだけど…ナオちゃんのその大きな荷物なぁに?これから煉獄さんとお泊まりでも行くの?」