第13章 暖かく和やかに
そんな事を考えながらニコニコとカナヲちゃんのことを見ていると、ジーッとカナヲちゃんの視線が私の下腹部に向いていることに気が付く。パッと視線を上げたカナヲちゃんと目が合うと、
「…違っていたらごめんなさい。ナオさん…もしかして、赤ちゃんがいるんですか?」
と遠慮がちに聞いて来た。
流石カナヲちゃん。目が良いだけあって、ちょっとした体型の変化にも気がついたのであろう。
「うん。実はそうなの」
私のその返事にカナヲちゃんはパッと目を輝かせ、炭治郎くんは
「やっぱりそうなんですね!ナオさんの匂い、以前とちょっと違うなと思っていたんです!ここは香水とか食べ物の匂いとか色々するんで分かりにくかったんですけど、昔弟を妊娠していた時の母さんの匂いにどことなく似ている気がしてたんです!」
「そんなことも匂いでわかるんだね…」
思わずじーっと炭治郎くんの鼻を見ると、恥ずかしかったのか炭治郎くんはパッと手で鼻を隠した。
「実は健診の帰りでな!今日初めてエコーと言うものでナオの腹の中を見てきた」
「…なんです?その微妙な言い方」
「性別は男だそうだ!」
「わぁ!そうなんですか!きっと煉獄さんにそっくりな子が産まれて来るんでしょうね」
「やっぱりそう思うよね。先生にも同じことを言われてさ。男の子だし、私に似るよりは圧倒的に杏寿郎さんに似てくれた方が嬉しいんだけど…私のお腹にいるのになんだか複雑な気分よね」
「わはは!煉獄家男児の血が何故こんなに濃いのか、俺にもわからん!」
盛り上がる私たちをよそに、カナヲちゃんは会話に入って来る様子もなく、依然として私のお腹をキラキラとした目でじーっと見つめている。
「…カナヲちゃん、嫌じゃなかったら触ってみる?」
私の言葉にカナヲちゃんはパッと私の目を見ると
「…っ良いんですか?」
そう嬉しそうに言った。
「うん。まだそんなに出ているわけじゃないんだけど、触ればはっきりとわかると思う」
そう言って杏寿郎さんの腕から手を離し、カナヲちゃんに近よると、自分の両の手を膨らんでいる部分に当てる。
「ここ、触ってみて」
私がニッコリと笑いながらそう言うと、カナヲちゃんはコクリと一同頷き、恐る恐ると言う感じで腕を伸ばす。そして私のお腹にその両手でそっと触れた。