第13章 暖かく和やかに
それから1週間後。
この辺りの病院の知識が乏しかった私は、瑠火様が杏寿郎さんと千寿郎さんを産んだと言う病院に通う事を決めた。現在その産婦人科は、杏寿郎さんと千寿郎さんを取り上げた先生と、その息子さんの二代で診療を行なっていて、数年前に建て替えを行ったこともあり、昔から続いているのにも関わらずとても綺麗な病院だ。杏寿郎さんは「行きたい!だが行けない!」ととても残念がっていたが、その代わりに、不安がる私を見かねた瑠火様が一緒来てくれたのだった。
「煉獄ナオさん。中へお入りください」
「はい」
返事をしたものの不安に襲われチラリと瑠火様の顔を見る。すると
「大丈夫です」
と私を見つめる瑠火様の瞳が杏寿郎さんのそれととても似ていて
「…行って参ります」
とても安心感を覚える。私は立ち上がり、診察室へと足をすすめた。
「尿検査の結果は確かに"陽性"ですね。内診をするので、隣の部屋にどうぞ。下着を脱いで台に乗って待っていてください」
先生の言葉に従い隣の部屋に行き、ドキドキしながらタイツとショーツを脱いだ。内診台に上がりしばらくすると"では、動きます"と看護師さんの声が聞こえた。
「…はい」
内診台に上がった経験はある。けれども何度乗ってもこの台は苦手で、私の心臓は緊張と不安からとても大きく波打った。
「うん。…ピコピコしてるのわかる?」
「あ、はい」
「これは赤ちゃんの心臓。元気に動いてるね」
「…っ凄い!」
私の中で確かに育っている赤ちゃんの存在に、胸の奥から熱い気持ちが溢れて来た。
「はい、良いですよ。戻しますので、下着を履いたらまた隣の診察室に来てください」
先生はそういうと、隣診察室へと戻って行く。内診台から降り、ショーツとタイツを履き、隣の部屋に戻る。
「妊娠6週ってところですね。予定日は11月20日です。次は4週間後に来てもらうことになりますが、何か聞いておきたいこと、不安なことはないですか?」
「大丈夫です」
私の目は先生の手元にあるエコー写真に釘付けだ。
「それは良かった。所でさっき、うちの助産師が言っていたのですが、あなたうちで出産した煉獄瑠火さんの義理の娘さんなんですか?」
その言葉に私はエコー写真から目を離し、先生の方に目を向けた。