• テキストサイズ

暖かく和やかに【鬼滅の刃】【煉獄さん】

第13章 暖かく和やかに


「…そうか」

杏寿郎さんはそう静かに呟き、

「…っひゃ!」

私の身体を腕の力だけでヒョイと持ち上ると、横向きの状態のまま胡座の間に納めた。

「君の気持ちに気づけず、1人辛い思いをさせてすまなかった」

「…私が勝手に期待して、勝手にがっかりしただけです。…杏寿郎さんが謝る必要はありません」

「いいや。君は俺の妻であり、俺は君の夫だ。先程ナオも言っていただろう?君のそう言った悲しみや苦しみを俺にも共有させて欲しい」

そう言って眉を下げ、優しく微笑む杏寿郎さんに私の気持ちはホッと安らいだ。

「君は何事に対しても一生懸命だ。そんな君を俺は心から愛している。だが同時に心配もしている。たくさんの仕事を一人で抱え込んではいないか。慌てて転んではいないか。重い荷物を無理に持ち上げてはいないか」

「…杏寿郎さん…」

「君が今、俺の子を身籠っている可能性が少しでもあるのであれば、俺は一刻も早くその事実を確かめたい。もしそうだったら共に喜ぼう。違ったら"残念だ"と言いながら美味いケーキでも食べよう。…どうか俺の為と思って検査をして欲しい」

杏寿郎さんはそう言いながら、その大きな右手で私の額を優しく撫でた。

「…わかりました」

「ナオ!」

「…本当は、あと2、3日経ったら調べようと思ってたんです。でも杏寿郎さんや槇寿郎様達をガッカリさせるのが怖くて…意地になってしまいました。すみません」

「ガッカリなどするはずがないだろう!子は授かりもの。もし授かれなかったとしても、俺はナオがいればそれで良い!父上や母上も、君の身を心配していただけであって、決してそんなつもりで俺に聞いてきた訳ではない」

「…っそれはもちろんわかっています!2人はそんな方ではありません!」

そう慌てて答えた私に杏寿郎さんは

「そうか。だが、父上も母上も俺も、このままでは心配でナオの買ってきてくれた美味いパンを食べれそうにない。これから一緒に薬局に行ってくれるか?」

と、まるで幼子に聞くように優しく問うた。私の答えはもう決まっている。

「はい。…ついでに新しく出た少しお高いヘアトリートメントを買っても良いですか?」

おどけて聞く私に

「うむ!好きなだけ買ってあげよう!」

と、杏寿郎さんはにっこり微笑んで言った。

「…ひとつで十分です」
/ 391ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp