第12章 変わらぬ愛をあなたに誓う
「全身が写っている写真はないのか?」
「写真集の構成は完全にお任せしてしまったので、どこにあるかはわかりませんが…順番に見ていけばあるかと」
「そうだな!では次に行くぞ!」
ページを捲れば捲る程、あの日の挙式のことが鮮明に思い出され私の胸はホワホワと暖かくなって行く。
「む?ここのページからはファーストミートの部分だな」
「ファーストミート…ですか?」
「私と杏寿郎さんね、お互いに着付けが終わるまでに会わない様にしていたの。で、この場所で初めてお衣装を着たお互いの姿を見たの」
「まぁ、それは素敵ですね」
「あの時初めて見たナオの白無垢姿は今でも瞼に焼き付いている」
「それは私も同じです」
「ここで惚気るな。早く捲れ」
事件は次のページで起きた。
「む?この写真は…!」
その写真が目に入った途端、杏寿郎さんは今までで1番の反応を示した。私は思わず心の中で
"ハナエさん、なぜよりにもよってこの写真をこんなにも大きく…"
と心の中で独りごちた。
「ふふっ…ナオさん、昔から良くこの顔しますよね」
「確かに、1日に1回は見ます」
「そ、そんなことは…ありません!」
そこに写っていたのは、おでこに口付けられ驚き目を見開く私。
そう言えば…ハナエさんも昔、私のこの顔を見て良く笑っていたっけ。それを考えると、この写真をこんなにも大きく載せるのは納得かも。でも一体どんな構図で撮ればこの写真が撮れるの?ハナエさんのご主人って何者?
なんて事を独り心の中で考えていると
「ナオのこの顔はハツカネズミにそっくりだろう」
と、杏寿郎さんが爆弾を落とす。
「ちょっと!杏寿郎さん!余計なこと言わないで下さい!」
私は思わず声を荒げる。そんな私に杏寿郎さんは首を傾げ
「余計なこと?どこが余計なんだ?」
と意味がわからないと言わんばかりの顔で私を見る。
「…だって…だって…皆さんの前で…ハツカネズミなんて…」
「ハツカネズミのように可愛らしいと言っているんだ。誉めているのに何が悪い」
いや、そうなんだけど、そうじゃない。
私の肩はプルプルと小刻みに震え出す。そんな私の肩を
「杏寿郎。ハツカネズミだなんてナオさんに失礼です」
と、瑠火様が優しく抱く。