第12章 変わらぬ愛をあなたに誓う
いつもならまだテーブルに食器が並んでいてもおかしくない時間帯だが、今日はもうすでに片付けが済んでおり、現在テーブルに並んでいるのはこれから杏寿郎さんが食べる分のみ。
「実はですね、届いたんです!写真が!」
「む!それは本当か!早速見て「杏寿郎、先に夕飯を済ませてしまいなさい」…っとそうだったな!せっかく温め直してもらった食事だ!冷める前に食べなくては」
そう言って居間に戻り、食事の前に腰掛けると
「頂きます」
と手を合わせた後、綺麗な所作で食事を開始した。
私はそんな杏寿郎さんの様子を、お皿を布巾で拭きながら"食べている姿も本当に素敵"と思いながら眺めていた。
ご飯を4回お代わりした後、杏寿郎さんは満足したのか
「ご馳走様でした」
と食べ始めと同じ様に手を合わせ、食べ終えた食器をまとめ始める。私は湯呑みにお茶を入れ、杏寿郎さんの元へそれを持って行き、
「お皿は私が持っていくので、杏寿郎さんは少し休憩していて下さい」
「すまない」
引き換えに空になった食器を受け取った。
テーブルの一方に瑠火様、私、杏寿郎さん、千寿郎さんとくっついて並び、向かいに1人槇寿郎様が座る。
「それでは開けるとしよう!」
丁寧に梱包された箱を開け中を見ると、1番上にはデータが入っていると思われるDVD-Rが緩衝材に包まれた状態であり、その下に上品な緋色の表紙の写真集が2冊納めされていた。杏寿郎さんはDVD-Rをまず取り出し、写真集を一冊取り出すと
「一冊は柏木家用のものだ。触らずに仕舞っておこう」
と言って再びDVD-Rを箱に仕舞った。
「なんだかドキドキします」
「うむ!」
「杏寿郎、勿体ぶっていないで早く開け」
「槇寿郎さん、いくら早く見たいからって急かしてはいけませんよ」
「…俺がいつそんな事を言った」
「顔に書いてあります」
「兄上!早くページを捲ってください」
「ではいくぞ!」
重めの表紙を開けた先にあったのは
見つめ合う杏寿郎さんと私の横顔。
「うわぁ!兄上もナオさんもやはりとっても素敵です!」
「本当に。スマートフォンの写真を見ていたと言え、やはりプロの写真家がとる写真は美しさが違いますね」
自分でも、そこに写っているのが本当に私なのだろうか?と思う程素敵な写真だった。