第12章 変わらぬ愛をあなたに誓う
"はーい"と機嫌良く返事をし、私は半分スキップで洗面所へと向かった。途中すれ違った槇寿郎様が呆れ顔で私を見ていたが、残念ながら今のご機嫌な私にそんなものは通用しない。
珍しく瑠火様にお夕飯を作る手伝いを許可され、メイン料理は瑠火様、副菜を私が担当して作る。途中から宿題を終えた千寿郎さんも手伝いに加わると、あっという間に夕飯の準備が完了した。
「兄上早く帰って来ませんかね?」
「そうだねぇ…」
チラリと時計を見ると、今は6時半を回る所。
「今日は部活が休みの日だし、職員会議があるって話もしてなかったから…7時半頃には帰ってくると思うんだけど」
「私達が食べ終える頃には帰ってくるでしょう。ナオさん、テーブを拭いておいてください」
「はい!瑠火様!」
「千寿郎、槇寿郎さんを呼んできてください」
「はい!母上!」
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時刻が7時40分頃を示した頃。
「ただいま戻りました!」
予想していた通り杏寿郎さんが帰ってきた。けれどもあいにく私はお皿洗いの真っ最中。
「千寿郎さん。悪いんだけど、私がお出迎えしないと杏寿郎さん…ちょっと不貞腐れちゃうから、代わりに行ってもらっても良いかな?」
「それは良いですが…それならば俺が洗い物を代わりましょうか?」
そう言って、腕まくりをしながら近づいてくる千寿郎さんに
「それはダメ!お皿洗いは瑠火様に与えてもらった私の大事な責務なの!いくら杏寿郎さんのお出迎えが大切だからって、この責務を放棄する事はできません!」
と、手のひらを見せ静止を求める。
「大袈裟だな」
「ナオさんは、だんだん杏寿郎に似てきましたね」
「えっ!?そんな事ありません!」
「…そんな事あります」
「千寿郎さんまで!?」
笑いを堪えながらボソリと言い残し、パタパタと去っていく千寿郎さん。思わず瑠火様の顔をチラリと見ると
「仲が良い証拠ですね」
と綺麗な微笑みを向けられ、私の頬に熱が集まった。
「ただいま、ナオ」
お皿を拭いている私の隣に、手を洗い、部屋に鞄を置き、着替えを済ませた杏寿郎さんがやって来た。
「お帰りなさい、杏寿郎さん。丁度お皿を洗っていてお出迎えに行けませんでした。ごめんなさい」
「いや、構わない。ところで今日はやけに片付けが早いな」