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暖かく和やかに【鬼滅の刃】【煉獄さん】

第12章 変わらぬ愛をあなたに誓う


たかが酔っ払い相手にあまり騒ぎ立てたくはなかった。けれども残念ながらお土産コーナーのレジはたまたま誰もおらず、他にも近くに従業員の姿は見当たらない。これ以上は自分の身に危険が及びかねない為、もう騒ぐしかないと腹括り"スゥッ"と息を吸う。

まさに大声を挙げようとしたその時、

「っ痛え!」

「なんだお前!?」

私の手首を掴む男の腕をグッと掴む

「俺の妻から手を離してもらえないだろうか」

愛する旦那様の姿が。

「杏寿郎さん…」

杏寿郎さんはその表情こそにこやかだが、額にはくっきりと青筋が立っており、それが余計に心の底から湧き上がる怒りを感じさせた。私の左手を掴んでいた男の方は、杏寿郎さんに掴まれている腕が相当痛いのか顔を青くし怯えた様子で私の手をバッと離す。右腕を掴んでいる男の方は相当酔いが回っているせいか、杏寿郎さんから出ている禍々しい怒りのオーラに気付くことなく

「はぁ?この女がつまらなそうにしてたから、わざわざ声掛けてやったんだよ。どうせお前もどっかで女引っ掛けてたんだろ?」

と喧嘩腰に杏寿郎さんに詰め寄る。一方もう1人の男は、完全に杏寿郎さんの怒りに当てられ、なんとかもう一人の男の方を「…やばいぞ。もう行こう…」と説得している様子だが、残念ながら酔っ払いにその言葉は届いていない。

「俺を君らと同じにしないで欲しい。君は相当酔っ払っている様だ。酒を飲むことは悪いことではないが、飲みすぎて周囲に迷惑をかけることは愚かな行為だ」

「は?うるせえな!説教なんかして、お前俺の先生か何かかよ!」

「君の先生ではない。だが確かに俺は教師だ!」

「そんな事聞いてねぇよ!」

なんだか話がよくわからない方向に向いて来た。私は空いた左手で、自分の手首を未だに掴んでいる男の手を

「いでで!」

渾身の力でつねる。痛みで離れた腕から距離をとり、杏寿郎さんの方に逃げるとサッと杏寿郎さんの大きな背中に隠された。

「てめぇら…「どうかされましたか?」…っ!」

その時、騒ぎを聞きつけた女将が颯爽と現れた。

「騒いでしまい申し訳ない。だがこの2人が、俺の妻を困らせている様子だった故、どうしても我慢ならなかった」

杏寿郎さんはそう言って静かに頭を下げた。私も慌てて杏寿郎さんに習い頭を下げる。女将の登場にばつが悪いと感じたのか、騒いでいた男の方も急に静かになった。
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