第12章 変わらぬ愛をあなたに誓う
「それではこれで私たちも失礼させてもらいます。本日は私共に撮影をお任せ頂き、誠にありがとうございました」
紋付袴と白無垢から、普段の杏寿郎さんと私に戻り、とうとう今日の大イベントが終わりを迎える。
「写真のデータの方は整理出来次第宅急便で送ります!アルバムの方はお任せってことなので、私達が責任を持って作らせて頂きますね!今日は素敵な時間を共有させてもらって本当にありがとうございました」
ハナエさんとご主人は、そう言って杏寿郎さんと私に頭を下げた。
「いいや!お礼を言いたいのはこちらの方だ!それにしても、写真に撮られているのを忘れてしまうほど気配を感じず驚いた!」
「確かに…明らかに側にいるときは流石にわかりましたけど、所々どこにいるのかわからなくて探してしまう程でした」
ハナエさんは杏寿郎さんと私の言葉に
「でしょう?この人、影が薄いって散々馬鹿にされてきたけど、写真家としては最高の才能よね!」
と言ってクスクスと笑った。前世でハナエさんのご主人の姿を見た事はなかった。けれどもきっと、この2人も前世からの繋がりで結ばれているのではないか、と感じるものがあった。
「私ね、今回の撮影を終えたらしばらくお休みするの。休み前、最後のお客様が2人で良かったって心から思う」
「おやすみ…されるんですか?」
「そうなの。この人がどうしてもって言うから仕方なく」
そう言ってハナエさんはご主人をジーっと、まるで"納得いかない"と言わんばかりの目で見る。
「…どこかお身体が悪いのだろうか?」
私も杏寿郎さんと同じことを考えており、不安になった私は思わずハナエさんに駆け寄りそうになるのをなんとか堪えた。
「違う違う!…実はね、お腹に赤ちゃんがいるの」
ハナエさんは照れくさそうにそう言った。
「…っ!」
「そうか!それはめでたい!だが確かにご主人が言う通り、重い物を持ったり、着付けでしゃがんだりすることが多い故、仕事は控えた方が良いだろう」
杏寿郎さんはハナエさんを気遣うような言葉を言っているのに、私はと言えば、何も言うことが出来ずにいた。
「やはりそう思いますよね!なのにハナエは心配しすぎだのなんだの言ってあまり納得していないようで」
「だって、つわりもないし元気なんだもの…」
「…っあの!」
突然上がった私の声に、三人の視線が私に集まる。
