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暖かく和やかに【鬼滅の刃】【煉獄さん】

第12章 変わらぬ愛をあなたに誓う


「そのハツカネズミはな」

あ、まだハツカネズミの話続くのね。

なおもハツカネズミの話を続けようとする杏寿郎さんに、思わず心の中で突っ込む。

「俺に見つかってしまったのを警戒したのか、それ以降どんなに探しても見つける事はできなかった」

「…そうですか」

我ながらなんとも興味のなさそうな返事だなと思う。けれども、杏寿郎さんはそんな不貞腐れ気味の私の顎を掴み、グイッと自分の方に向けると

「だから俺はあの日に思った!あのハツカネズミのように、ナオを捕まえ損ね、会えなくなってしまうのは嫌だと!側にいてその姿を見ていたいと!君の剣技に惹かれたのも事実だ。だが結局の所、俺はナオのあの顔を見た時、一目で君に恋をしてしまっていたと今ならわかる!」


「…っ!」


ブワッと首から頭のてっぺんにかけて、まるで沸騰してしまったかの様に急激に熱くなる。

まさかハツカネズミの話から、杏寿郎さんが私に恋をする言う話に繋がるとは思ってもみなかった。学ばない私はいつもお馴染みの杏寿郎さん曰くハツカネズミ顔になってしまう。

「うむ!やはり愛らしい!」


ちゅっ


と掠め取るように落とされた口付けに、私の顔にはさらに熱が集まった。



————————



神前式はなんの滞りもなく、無事執り行われた。終始緊張しっぱなしだった私の記憶は、所々曖昧な部分もあったが、誓詞奏上の際の杏寿郎さんのお姿だけは鮮明に頭に残り、きっとこれからも忘れる事はない。

"今日の佳き日に私共は、大御前で結婚式を挙げました。かけがえのない伴侶に出会えましたことを心から喜び、深い信頼と深い愛情を持って、助け合い励まし合いながら、素晴らしい家庭を作っていきます。何卒幾久しく御守りください"

いつもの、どこまでも声が届いてしまいそうな腹式呼吸で、尚且つその場に相応しい音量で述べられた杏寿郎さんの言葉が、耳にこびりついて離れない。チラリと盗み見たそのお顔も、とても凛々しく、私は改めて杏寿郎さんの妻になれた事を幸せだと感じた。

…え?

一瞬、杏寿郎さんの姿が炎柱の羽織を纏った隊服姿に見え、私は目を見開く。けれども瞬きをしたその後には紋付袴姿に戻っていた。きっと、前を見据え誓詞を述べる杏寿郎さんのお姿があまりにも素敵すぎて、幻を見てしまったんだと私はこの不思議な体験を胸にしまった。

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