第12章 変わらぬ愛をあなたに誓う
「それでは神社に出発します。お忘れ物はございませんか?」
紋付袴と白無垢は事前に宅急便で送ったものが無事届いていると昨日連絡があった。白無垢に合わせて選んだ髪飾りもちゃんと鞄に入ってる。指輪も付けてる。化粧道具は、今日写真を撮影してくれる方の奥様が着付けと一緒にしてくれると言っていたから持っていかなくて大丈夫。
「はい!ありません!」
「俺の方も問題ない!」
「では、出発します」
「「よろしくお願いします」」
昨日と同じ運転手さんが気合十分な杏寿郎さんと私を乗せ、杏寿郎さんと私の挙式会場である神社へと車を出発させた。
神社に到着し、社務所を訪ねると、穏やかなおばあさんが杏寿郎さんと私を神社の中へと連れて行ってくれた。神主様と挨拶を交わし、事前の打ち合わせ通りすぐに挙式への準備へと移る。
「先程到着したと連絡が入りましたので、間もなくお着替えいただくことになります。着替えてしまうと、おトイレに行くのが中々大変になってしまうので、事前に済ませていただいた方がよろしいかと思います」
「そうだな。ナオも行くか?」
「はい。あの重い衣装を着ておトイレに行くのは中々大変ですもんね…」
そう会話を交わし、杏寿郎さんと私はトイレへと向かった。トイレに到着し、杏寿郎さんは男性用、私は女性用の扉の前に行き
「写真家さんが来てしまうかもしれないので、先に済んだら杏寿郎さんは戻っていて下さい」
「うむ!そうさせてもらおう」
と、会話を交わし分かれた。
トイレを済ませ、先程の部屋に戻るとやはり杏寿郎さんはもう先に戻っていたようで中からは話し声がした。
写真家さん、もう来てる。私もちゃんとご挨拶しないと。
急に扉を開けたら驚かせてしまうかもと思い、念のため"失礼します"と一声かけてから扉を開ける。
「お待たせしてすみません。今日はよろしくお願いします」
頭を下げ挨拶をすると
「こちらこそ、どうぞよろしくお願いします」
と穏やかな男性の声が。そしてその後
「あらぁ!ご主人に聞いていた通り、とっても可愛い花嫁さんね!」
と明るい女性の声が。その声がやけに心地良くて、どこかで聞いた事があるような気がして、私はパッと顔を上げる。
「…っ…!?」
女性の顔を見た私の手からハンカチがポトリと落ちる。
「どうした?ナオ?」
