第12章 変わらぬ愛をあなたに誓う
「着きましたね」
「着いたな!」
2回の乗り換えを経て、杏寿郎さんと私はようやく目的地である駅へと到着した。駅から旅館まで車で10分ほど掛かるのだが、旅館の方に事前に到着時間を連絡しており、恐らくもう私達のお迎えに来てくれているはずだ。
駅のホームから改札へと歩き、改札を抜けたその先のに広がる"温泉街"という雰囲気に年甲斐もなくワクワクした。
「確か駅の外で待っていると言っていたな。探してみよう」
「はい」
駅の外に出るとすぐ、宿泊する旅館の名前の入った羽織を着た従業員を発見することができ、杏寿郎さんと私はそちらへと向かう。
「こんにちは。本日よりそちらでお世話になります煉獄と申す者です。旅館藤の方で宜しかったでしょうか?」
杏寿郎さんがそう声を掛けると、品の良さそうなおじさんが
「煉獄様、長旅お疲れ様でございました。旅館藤の運転手を務めております者です。ご到着をお待ちしておりました。荷物をお積みいたしますので、こちらにどうぞお渡し下さい」
持っていた鞄を運転手さんに託し、杏寿郎さんと私は車へと乗り込み旅館へと出発した。
「煉獄様、明日は確かこの近くにある神社に行かれる予定でしたよね?」
「はい。実は明日、その神社で挙式をさせてもらう予定になってるんです」
私がそう答えると運転手の方は
「それはおめでとうございます!明日も私が責任持って送迎させて頂きますので、どうぞよろしくお願いいたします」
「なんと!それはこちらこそよろしくお願いしたいところだ!」
今回宿泊させてもらうこの"旅館藤"は、1日に受け入れる宿泊人数も少なく、ほぼ貸切で楽しむことができる。ほぼ貸切、客室露天風呂付き、料理が絶品、そして近くの場所であれば旅館の運転手さんが車を出し送迎をしてくれるとう点から杏寿郎さんと私はこの旅館を滞在先に選んだ。
「お二人とも、紋付袴と白無垢がとてもお似合いになりそうですね。お写真はお撮りになる予定で?」
「はい。2人きりでやる代わりに、写真はプロに頼んで撮ってくるようにと、私の母に言われてしまいまして」
「それはそれは!あそこに来てくれる写真家の夫婦はとても腕が良くてね。きっと最高の写真を残してくれますよ」
「それは喜ばしいことだ!」
運転手さんとそんな会話を交わしていると、あっという間に旅館へと到着した。
