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暖かく和やかに【鬼滅の刃】【煉獄さん】

第11章 待ち侘びた日々


「日も傾き始めた。私が家まで送る。君たちはもうそろそろ帰りなさい」

と悲鳴嶼様が学生組に帰宅を促したところで、一次会とも言えるこの集まりは終わりを迎えようとしていた。"まだ帰りたくない"やら"はい!"やら学生組が応えながら帰宅の準備をし出すと

「すまない!彼らが帰ってしまう前に、しばし俺に話をする時間をもらえないだろうか?」

杏寿郎さんの声が教室に響いた。ピタリとお喋りが止み教室に静寂が訪れる。その静寂を"肯定"と捉えた杏寿郎さんは、いつもの快活な口調で話し始めた。

「今日は俺とナオの為に時間を割いてくれたこと、心から感謝する」

私も含め、みんなが杏寿郎さんの声に耳を傾けている。

「皆も知っての通り、俺はかつて、鬼との戦いに敗れ命を落とした。最後まで皆と戦うことができず、そして愛する人を残し死んでしまったことは、今悔やんでも悔やみきれない」

「そんなことこと言わないで下さいっ!煉獄さんはずっと俺を…っ」

炭治郎くんがすかさず杏寿郎さんの言葉に反論したが、杏寿郎さんが眉を下げ炭治郎くんに優しく微笑みかけた事で、炭治郎くんはその先に続く言葉をぐっと飲み込んだ。

「だが今日、皆と接するナオを目の当たりにし、俺の亡き後、いかに皆がナオを気にかけ、心を砕いてくれたかを知った。俺の愛する人を大切にしてくれた事、そして鬼退治を果たし、平和な世で俺とナオを今度こそ夫婦にしてくれた事、心よりお礼を言う。皆、ありがとう!そしてこれからもこの煉獄杏寿郎、並びにナオをよろしく頼む!」

杏寿郎さんのその熱い言葉に、私は涙を堪えることが出来ず、嗚咽が漏れそうになるのを必死で堪えた。そんな私に気づいたカナエさんは、私の肩を抱きながら、その暖かな手で背中を優しくさすってくれる。



違う。違うよ杏寿郎さん。
杏寿郎さんが居たから。
杏寿郎さんがたくさんの人に愛されていたから。
みんな私を気に掛けてくれたの。
だから私も最後まで頑張れたの。
そばに居なくてもずっとずっと
杏寿郎さんは私を守ってくれていたの。




その言葉を口にすることは出来なかったけれど、家に帰って2人きりになったら、杏寿郎さんに自分から口付けて、思いっきり感謝の気持ちと、そして杏寿郎さんへの溢れる愛を伝えようと心に決めた。
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