第11章 待ち侘びた日々
待ちに待った土曜日。昨日は、今日の事もありアパートには行かず煉獄家で過ごした(杏寿郎さんはとても不満気だったが)。
杏寿郎さんと私は、杏寿郎さんが務める鬼滅学園へと車を走らせていた。どこかのレストランか居酒屋で、と思っていたのだが炭治郎くんに善逸くん、そして伊之助くん等、学生の面々もいるという事で鬼滅学園にある教室の一室を学園理事長であるお館様のご厚意でお借りできることとなった。その後大人組で、希望する者達は飲みに行こう!という流れだ。
職員用の駐車場に到着すると、もう何台か車が停まっており、既に誰か来ている様子だった。
「ここが、杏寿郎さんが働いている学校…素敵ですね」
「うむ!沢山の生徒が毎日笑顔で登校する良い学園だ!先生も皆熱心な者ばかりでな!活気に溢れている!」
杏寿郎さんから聞いた、共に先生をしているという面々を思い浮かべる。前世での柱稽古の事を思い出すと、正直言って杏寿郎さんとカナエさん以外、生徒の前で授業をしている姿なんて想像つかない。張り付けにする伊黒様。ぶっ倒れるまで(いや、ぶっ倒れても)休みなく打ち込みをさせる不死川様。他者と上手くコミュニケーションが取れない冨岡様。どう考えても、教壇に立って授業をするタイプには見えない。
いやでもそんな事を思うのは失礼だよね。
と一旦あまりにも失礼な自分の思考を、頭の奥へと追いやる。
「杏寿郎さんの…煉獄先生の授業、私も受けてみたいものです」
あの素敵な出立で教壇に立つ杏寿郎さん。目を奪われる事間違いない。
「そうか!俺の授業では良く騎馬戦をする!ナオは小柄故騎馬の上だな!」
「騎馬戦をするんですか?」
「うむ!」
「歴史の授業で?」
「うむ!」
やはり杏寿郎さんも他の方々とそう変わらないかもしれない。
そんな失礼な事を私が考えているとはつゆ知らず、杏寿郎さんは
「では行こう!」
と私の腰に手を回し歩き出そうとした。
「杏寿郎さん。流石にここでそんな風にされるのは良くないと思います。いくらお休みとは言え生徒に見られてしまうかもしれませんし、他の方々ももう来ている様ですし」
杏寿郎さんはハッとし、私の腰からその手を離す。
「ナオの言う通りだ!つい、いつものクセで君に触れてしまったが、流石に生徒にこの姿を見られてしまっては面目に欠ける!」
