第11章 待ち侘びた日々
眉を下げ謝るしのぶさんにフルフル顔を横に振り答える。
「…もしかしてナオさん、煉獄先生から私のこと聞いてないのかしら?私今、煉獄先生と同じ学園で生物の教師をしているんだけど…」
その言葉に、思わずバッとカナエさんの方へ顔を向ける。
「杏寿郎さんと…同じ学園で…ですか?」
「あらぁ!やっとこっちを向いてくれたのね!嬉しいわ!煉獄先生とは席も隣同士なのよ。とっても嬉しそうにナオさんとの結婚を報告していたわ。もう校舎中に響いてるんじゃないかって程の大声で」
そんな話、一言も聞いていない。
"すまない!すっかり忘れていた!"
ちっとも悪いと思ってなさそうな杏寿郎さんが、私に謝っている姿が頭に浮かんでくる。
「杏寿郎さん…カナエさんのこと…何も言ってくれていません…っ!」
「あらあら。しょうがないわねぇ。きっとナオさんとの結婚で頭が一杯で忘れてしまったのね」
「確かに煉獄さんならあり得ますね」
「ナオちゃんの事が大好きすぎて忘れちゃったのよ!」
3人が一生懸命杏寿郎さんをフォローしているようだが、残念ながら私の気持ちは収まりそうにない。
「今日は絶対、一緒の布団で寝てあげません!」
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楽しい時間はあっという間に過ぎてしまう。気づくと時刻は9時を過ぎており、カナエさんと私は仕事、蜜璃ちゃんとしのぶさんは学校があるので女子会はお開きとなった。
「良かったら車でお家まで送りましょうか?」
「大丈夫よ。私はしのぶと一緒だし、ここからそう遠くもないから」
「私も大丈夫!駅まで伊黒さんが迎えに来てくれるって連絡があったの。だからナオちゃんは早く煉獄さんのところに帰ってあげて頂戴!」
と、心配ではあったが優しくお断りをされたので引き下がる事にした。
「それじゃあ、気をつけて帰ってください。こんな美人が3人もいるんです!くれぐれも変な男には気を付けてくださいね!」
そう本気で言う私を、3人はクスクスと笑っている。
「はいはい。わかりましたよ。1番ぼんやりしているナオさんに言われても説得力に欠けますが」
「あ!しのぶさん酷いです!」
「冗談ですよ。それではまた土曜日に、ですかね」
「うん!土曜日に!」
こうして私たちの第1回鬼殺女子会は幕を閉じた。