第11章 待ち侘びた日々
「…なんだか、伊黒様と蜜璃ちゃん、杏寿郎さんと私、ちょっと似てるね…」
「…そうね」
しんみりとしてしまう蜜璃ちゃんと私。
「ナオちゃんも私も、前世では愛する人と添い遂げる事は叶わなかったわ。だから今度こそ、必ず、幸せになりましょうね!」
「…うん」
そう言ってテーブル越しに蜜璃ちゃんと手を取り合っていると、ガラガラと大きな音をたて、"失礼します"と、台車に乗せられた、たくさんの料理たちが運ばれて来る。
「わー!来たわ来たわ!じゃんじゃん置いてください」
自分の前に次々と置かれて行く美味しそうな料理を前に、蜜璃ちゃんは目をキラキラと輝かせている。
「じゃあ、冷めちゃう前に食べようか」
「そうね!頂きまーす!」
あっという間に全てを食べ終えた蜜璃ちゃん。幸せそうにたくさん食べる蜜璃ちゃんを見ていると、いつの間にかこちらまで幸せになってしまうから不思議だ。食後のデザートを待ちながら温かいカフェラテを飲んでいると
ポロンポロンポロン
と可愛らしい着信音が室内に響く。蜜璃ちゃんは、スマートフォンを取り出し画面を見ると
「ちょっと御手洗いに行って来るわ!」
と、立ち上がり慌てたように部屋を出て行ってしまった。
伊黒様から連絡でもあったのかな?気にせずここで出てもらっても良かったのに。
なんて考えながらも、まぁ会話を聞かれるのも恥ずかしいか、と1人納得し再びカフェラテに口をつけた。
程なくして
「ナオちゃんお待たせ!」
と蜜璃ちゃんが嬉しそうに声を弾ませながら戻ってくる。
「うぅん。デザートまだ来てないよ」
と言いながら蜜璃ちゃんの方を見ると、蜜璃ちゃんは慌てていたのか個室の扉が開けっぱなしになっていた。
扉、閉め忘れちゃったのかな?
と思いながらそこを見ていると、そこにスッと店員さんではない誰かが現れる。
「こんばんは。お久しぶりですね」
「……っしのぶさん!」
そこには、しのぶさんの姿が。
「蜜璃さんからナオさんと一緒だと連絡を受けましてね。実験を放置して、思わず来てしまいました」
私は脚をもつれさせながらしのぶさんに近づき、私よりも少し小さなその身体にギュッと抱きついた。